「カムカムエヴリバディ」第52回 るいと錠一郎 衝撃の第38回との対比
2022年01月14日 08:15
芸能
今回の演出を担当した泉並敬眞氏は「第38回のあの場面との対比を考えた。今回は、台本では雨のシーンはなかったが、第38回が雨のシーンだったので、雨のシーンを入れようと考えた。るいは、雨に良い思い出がない。同じような状況に置かれた時、どうなるのか?どう転換していくのか?」と話す。
るいが錠一郎に額の傷を見せたのは、雨の中、2人で訪れた洋服店の試着室だった。
泉並氏は「鏡が良いアイテムになっている。あの場面で鏡を使うことは考えていなかったが、深津さんとオダギリさんから、鏡を通してお互いの視線を合わせたらどうだろう?という話があって、そのアイデアをお借りした。るいのかっとうを表現することに貢献したと思う」と明かす。
最後に試着室のカーテンが閉じられ、今回の幕が閉じられた。
泉並氏は「あれは台本に書かれていた。自分自身では、見せないことを面白がったと思っている。なんとなく皆さんの想像にお任せしながら、るいとジョーが抱く希望を感じていただきたい」と話す。
第38回と今回の対比。モノトーンとカラー、暗闇と光明、絶望と希望…。初回からこのドラマを見てきた視聴者として、一つの区切りを感じる回となった。
泉並氏は「第38回までは心がざらつく世界だった。るい編は青春物語、映画「アメリカン・グラフィティ」のような世界で、ゆっくり癒やしている。皆さんには『るいちゃん、頑張って!』と思っていただきたい」と話す。
とはいえ、第38回で受けた衝撃が消えうせたわけではない。安子はあの後、どうしたのか。るいを残して、どのような思いで暮らしていたのか。るいが、誤解を解く日は来るのか。2人がまた互いに愛情を感じ合う時は訪れるのか…。それらが描かれるのは、まだ先になりそうだ。
◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴30年以上。現在は主にテレビやラジオを担当。