「鎌倉殿の13人」異例のOPタイトルバックに2つの狙い 例年より尺を約1分短縮 スタッフ名は別出し
2022年01月23日 06:00
芸能
初回(1月9日)はエンディングの平清盛(松平健)と木曽義仲(青木崇高)の紹介シーンに、時代考証・プロデューサー陣・演出らスタッフの名前が表示。15分拡大版となった初回のみの特別措置かと思われたが、第2回(1月16日)もタイトルバック明け、清盛と平宗盛(小泉孝太郎)のシーンにスタッフロールが流れた。
「鎌倉殿の13人」のタイトルバックは1分45秒(冒頭、長澤まさみの語りも含めると2分10秒)。前作「青天を衝け」は2分50秒、20年「麒麟がくる」は2分42秒。例年、約3分近くの長さで、今回はスタッフのクレジットを含めないことにより、約1分の短縮となった。
清水CPは「大河ドラマのタイトルバックは、特別なもの。これほどタイトルバックに長い時間をかけるのは、映画『007』シリーズぐらいじゃないでしょうか。大河ドラマは例年、3分近い尺を取っていますが、やや長いという側面もあって。タイトルバックの内容は基本的には毎回同じですから、冒頭のアバンタイトル(前回の振り返りなどプロローグシーン)からの『さぁ、見るぞ』という視聴者の皆さんの熱量が、この3分の間に下がってしまっては、もったいない。“大河ドラマの顔”としてタイトルバックを守りたい、とはいえ本編への熱気を逃さないために尺を短くしたい。この連立方程式を解いた結果、タイトルバックではキャストの皆さんのお名前を出し、スタッフは別で出す、ということになりました」と異例の試みの意図を説明。
出演者の他、「作 三谷幸喜」「音楽 エバン・コール」「語り 長澤まさみ」「タイトルバック 高野善政 島田初哉」「題字 佐藤亜沙美」「3D地図監修 シブサワ・コウ」らはタイトルバック中に表示される。
さらに「初回のように、エンディングにスタッフロールが流れるのは、その回のクライマックスへの高揚感が出て、僕は嫌いじゃないんです。単純にタイトルバックを短くしただけじゃなく、その日のラストがさらに盛り上がる演出上の効果もあると思います」と手応えを示した。
01年の入局以来、演出やプロデューサーとして大河ドラマに携わるのは実に7作目。「タイトルバックの尺についてはずっと昔から局内外で長いという声があって、今回、僕が初めて言い出したことでもないんです。ある種の伝統芸能といいますか、ベースには歴史ある大河ドラマの様式を守りたいという思いがあります。ただ、無条件に大河ドラマの“型”を守るのはやめよう、と。より多くの視聴者の皆さんのためになることがあれば、そこは変えていきたいと今回はチャレンジしました。今後の大河でどうするかは、そのチームが決めます」と明かした。
コロナ禍を逆手に取り、20年11月16日からは5日連続、総勢24人の豪華キャストを番組公式ツイッターで発表。新しい試みが続く「鎌倉殿の13人」の次の一手に注目したい。