ぼんちおさむ 超多忙だった漫才ブームの渦中で味わった大空の恐怖「引き返せー」
2022年02月04日 19:18
芸能
おさむによると、当時の吉本興業は本社のスケジュールを鉛筆で書いていたそうで、劇場、テレビ、営業の担当者がそれぞれの欄に「ザ・ぼんち」と書いて“身柄”を押さえたつもりになっても、後から別の担当者が断りもなく消して、他の仕事を割り当てることが日常茶飯事。「みんな、ぼんちが欲しかったわけですよ」と、おさむはいう。
ある日、甲府と静岡で、午後1時からの仕事がかぶったことがあった。甲府は他の出演者もいる漫才の舞台で、静岡は単独ショー。まず甲府で午後1時前に出番をこなした後、マネージャーに誘導されてついていくと、グラウンドにヘリコプターが待機。30分かけて静岡に着いて、歌と漫才をこなすと、再びヘリコプターで甲府へ逆戻り。そこで「事件」は起きた。
「天候が悪くなっててね。山の頂上付近まで来ると、操縦士の人が首を傾げててね。“どないしたん”って聞いたら、“(着陸する)自信がないんですけど”って。“レーダーは?”って言うと、“普段、農薬撒いているヘリなんで、レーダーついていないんですよ”って言うから、“引き返せー”って」
静岡に戻って話が終わりかと思えば、甲府の会場で「ザ・ぼんちが顔だけでも見せてくれるので」とアナウンスされていたため、タクシーで約4時間かけて移動。約100人ほどの観客が待っていたそうだ。