「カムカム」もう中学生サプライズ出演 「ノストラダムスの大予言」場面の効果

2022年02月08日 08:15

芸能

「カムカム」もう中学生サプライズ出演 「ノストラダムスの大予言」場面の効果
連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」で、茶の間のテレビの前に座る、ひなた(新津ちせ)(C)NHK Photo By 提供写真
 【牧 元一の孤人焦点】8日放送のNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第69回に、お笑い芸人・もう中学生(38)が出演した。
 1970年代にブームになった「ノストラダムスの大予言」のテレビ番組司会者役。ひなた(新津ちせ)が見つめる画面の中で、険しい表情を浮かべ「1999年7の月、空から恐怖の大王が降ってくる」などと言い放つ。

 もう中が朝ドラに出演するのは、昨年の「おかえりモネ」で、ヒロイン(清原果耶)が勤める気象情報会社の社員を演じて以来、2回目。演出の橋爪紳一朗氏は起用理由について「『モネ』に出演していたということもあるが、もともと好きな芸人さんだった」と説明し、「ダメ元でお願いしたら、快諾してくれて、お忙しい中、撮影のために東京から大阪まで来てくださった」と話す。

 今回も「モネ」と同じように事前告知なしのサプライズ出演。出演場面は短く、セリフも少ないが、橋爪氏は「普通の人があの分量のセリフを言っても、なかなか見ている人の頭に入らないので、顔が売れている人に言ってもらった方が良いと考えた。もう中さんらしさを出すということではなく、割と普通な感じで、当時の番組の司会者のようなアクセントを加えながら演じていただいた」と明かす。

 この回では、「ノストラダムスの大予言」以外にも、当時の日本を象徴するような要素が数多く盛りこまれた。音楽関係では、山口百恵「禁じられた遊び」、キャンディーズ「春一番」。放送関係では、連続テレビ小説「雲のじゅうたん」、ザ・ドリフターズの「8時だヨ!全員集合」、アニメ「サザエさん」「母をたずねて三千里」。出版関係では、少女漫画「ガラスの仮面」。当時、既に物心が付いていた視聴者ならば、いずれも、懐かしさを感じるものだ。

 現在、物語で描かれている時代は、1976年。橋爪氏は「私は『ドラゴンボール』『SLAM DUNK』などで育った世代で、当時のことをリアルに知っている世代ではないが、見ているものが違うだけで、そこから受ける感情は全く同じ」と、当時の要素をドラマに盛りこむことの効果を話す。

 制作統括の堀之内礼二郎チーフプロデューサーは「このドラマの面白さは、必ず、皆さんが過ごした時代を通ること。サブタイトルが、この物語で描く年代になっているが、これから徐々に若い人たちの年代に近づいていく」と話す。

 もう中は、1976年の時代のムードを強調する役割を果たした形。これから時代は先へと進んでいくが、今後、どのような音楽や番組が登場し、その場面でまた誰かがサプライズ出演するのかということも、この朝ドラの楽しみの一つだ。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴30年以上。現在は主にテレビやラジオを担当。
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