西郷輝彦さん 波乱万丈色男“前代未聞”だった辺見マリとの「極秘挙式」

2022年02月22日 05:30

芸能

西郷輝彦さん 波乱万丈色男“前代未聞”だった辺見マリとの「極秘挙式」
77年、辺見マリ(右)と長女・えみりを抱える西郷輝彦さん
 歌手で俳優の西郷輝彦(さいごう・てるひこ、本名今川 盛揮=いまがわ・せいき)さんが20日午前9時41分、前立腺 がんのため都内の病院で死去した。75歳。鹿児島県出身。葬儀・告別式は近親者のみで営む。昨春、前立腺がんが再発し、オーストラリアに渡って日本未承認の最先端治療を受けていた。「がんが消えた」と成果を報告していただけに、驚きと悲しみの声が広がった。
 りりしい顔に甘い歌声、性格もまめと“三拍子”がそろって女性によくモテるプレーボーイだった。

 2度の結婚に加え、元モデルや人気女優、銀座クラブのママらと浮名を流した。意中の女性にはよく電話をかけてアプローチ。恋人の父親が病死した時にはそばに寄り添い一緒に悲しんだ。交際が明らかになった女性たちは当時、報道陣に対し西郷さんの魅力を「凄く優しい人」と口をそろえた。

 少年期に相次いで2人の兄を失った。9歳の頃に次兄が他界。ジャズドラマーだった長兄も中3の頃に水難死。2人の兄の死に接したことが「ボクにひとつ、翳(かげ)りを与えた」と自伝「生き方下手」で述懐している。

 デビューから1年後の地元鹿児島での公演で観客が殺到し警備に当たっていた警官1人が死亡する悲劇を経験。「御三家」と呼ばれた人気絶頂時に所属した「日誠プロ」時代のマネジャーで、現サンミュージックの名誉顧問福田時雄さん(91)は「亡くなられた警官のご遺族と長く交流を続けていた。誠実で情に厚い人だった」と振り返った。

 高校中退後、17歳の時に「君だけを」でデビュー。「星娘」「星のフラメンコ」は語尾を振動させる“西郷節”も鮮やかな代表曲になった。ブームが終焉(しゅうえん)してからは泥くさく活動。週刊誌でオールヌード写真を公開したこともあった。地方キャンペーンで新人のようにレコードを手売りするなどなりふり構わぬ姿勢で復活の道筋を探った。

 私生活も波乱に満ちていた。若手の頃から事務所独立騒動や日活への損害賠償請求などトラブルを抱え、13年には事務所スタッフとの金銭問題も起きた。中でも辺見マリとの結婚は、所属するレコード会社や事務所社長にも知らせないまま極秘挙式し大騒ぎに。夫婦関係は別居や自宅マンションの所有権争いなど9年で破綻。離婚届を提出した際には、西郷さんが辺見側に知らせないまま記者会見した。

 華やかな世界でスターとして輝いた西郷さん。時折見せる愁いの表情もまた魅力だった。
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