「カムカム」濱田岳の再登場 演出側「算太の性格は全く変わっていない」

2022年02月22日 08:15

芸能

「カムカム」濱田岳の再登場 演出側「算太の性格は全く変わっていない」
連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」で、条映映画村に姿を見せた算太(濱田岳)(C)NHK Photo By 提供写真
 【牧 元一の孤人焦点】22日放送のNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第79回に、初代ヒロイン・安子(上白石萌音)の兄・算太(濱田岳)が再登場した。
 算太の登場は、昨年12月21日放送の第37回以来、約2カ月ぶり。物語で描かれる時代は、1951年から33年後の1984年へと移り変わっている。

 舞台は、安子の孫・ひなた(川栄李奈)が就職した条映太秦映画村(京都)。2代目桃山剣之介(尾上菊之助)が映画村を宣伝するCMを撮影している最中、「いけん!」と制止する声が現場に響き渡ると、そこに現れたのは、すっかり老け込んだ算太だった。

 演出の安達もじり氏は「年を重ねた役に濱田さんは『大丈夫かな?』と不安がっていた。老けメークを施し、探り探りやったが、濱田さんは細かい動きや姿勢で見事に表現してくれた。非常にうまくいったと思う」と強調。あの場面の算太は60歳過ぎくらいの設定で、今の時代の60代男性と比べると老け過ぎている印象もあるが「1980年代の頃、戦前生まれの方々は60歳にして年寄りのイメージがあった。濱田さんが元々若いので、周りの登場人物たちとの見え方も考え、あのようなさじ加減にした」と説明する。

 算太は33年前、岡山で、実家の和菓子店「たちばな」を再建するため、信用金庫を訪れようとしていたが、失跡。大阪まで探しに行った安子も、不運な出来事が重なり、娘のるい(子役の古川凛)に「アイ・ヘイト・ユー(大嫌い)」と言われた後、岡山から離れてしまった。

 安達氏は「ドラマでは描かれていないが、あの後、算太は好きなダンスからは離れずに暮らし、時代が変わる中で苦労をしつつも、今は振り付けを主な仕事にしているという設定」と話す。

 映画村でCMの撮影を制止した算太は自ら演出を大幅に変更。剣之介は軽快な音楽に合わせて踊り、時代劇とは一線を画す魅力を発揮する。

 安達氏は「あの場面では、ダンス指導の先生が、そこに算太の思いがあるという意味で、かつて算太が踊っていた振りに近い要素を入れてくれた。それを見た濱田さんは『ここまで算太が生き続けてきた。泣きそうになった』と話していた」と明かす。

 算太は物語の過去と現在を結ぶ重要人物。これからどのように、ひなたと関わり、そして、どのように、るい、安子へとつながっていくのか。安達氏は「算太は、見た目は老けたし、人生を積み重ねてきた深みもあるにせよ、性格は全く変わっていない」と語るが、さて、今後の展開は…。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴30年以上。現在は主にテレビやラジオを担当。
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