「カムカム」川栄李奈 実はうま過ぎた英会話場面
2022年03月10日 08:15
芸能
演出の松岡一史氏は「ひなたが年を経るごとに徐々に英語が上達するというステップを考えながら撮影に臨んだ。今回の場面のひなたは『相手の言っていることは聞き取れるが会話はできない』というレベルだった。川栄さんはずっと英会話の練習をしていたから、撮影時には既にうまくなっていて、英語指導の先生が『うま過ぎるので、もう少し、へたにやってください』と言うほどだった」と明かす。
川栄は今年2月の初登場を控えた取材会で「今が1番勉強しています。半年前から英語指導の先生に発音のレッスンをしてもらっているけれど、これまで習ったことのないRの発音とか、『仕事じゃなかったら逃げているな…』と思うくらい大変。私は勉強をして来なかったので、そもそも英単語を知らなくて、日本語を頭に入れても英語に変換されて出てこないんです」と打ち明けていた。英語を使う場面の撮影に臨むための苦労は多かったようだが、半年以上にわたる学習で着実に英会話力は向上し、苦労が実ったことをうかがわせる。
9日放送の第90回で、ひなたが自分の部屋で、玩具の刀を握り、空を切る姿も、りりしくて秀逸だった。母・るい(深津絵里)の励ましを受け、恋人・五十嵐文四郎(本郷奏多)との別離のショックから立ち直ろうとする場面だ。
演出の松岡氏は「細かく見ていただくと分かるが、ひなたは母・るいが持って来てくれた、おかゆと回転焼きをちゃんと食べている。短い時間ながら、刀で切るシーンに向かって空気を作りつつ撮影する中で、現場に殺陣師がいなかったので、私が『ちょっと右足を引いて切った方がきれいに見える』と切り方を川栄さんに伝えた」と話す。
演出の期待に応えた、しなやかで力強い動き。約7年前、川栄が刺客の主人公を演じて好評を博した初主演舞台「AZUMI 幕末編」を思い出した。
◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴30年以上。現在は主にテレビやラジオを担当。