ウクライナ侵攻 停戦合意はロシアの要求度次第 専門家が分析「親露化求めれば今はまとまらない」

2022年03月17日 19:54

芸能

ウクライナ侵攻 停戦合意はロシアの要求度次第 専門家が分析「親露化求めれば今はまとまらない」
東京・赤坂のTBS社屋 Photo By スポニチ
 外交や安全保障に詳しい明海大学の小谷哲男教授が17日、TBS系「Nスタ」(月~金曜後3・49)にリモートで生出演し、ロシア軍の軍事侵攻を受けているウクライナへの米国からの支援や、停戦合意の道筋について解説した。
 米メディアによると、米国はウクライナに対し、対空ミサイル800基、対戦車ミサイル9000基など900億円超の軍事支援を決定した。中には、戦車を破壊できる弾頭を搭載している“殺人ドローン”と呼ばれる兵器も含まれていると伝えられている。

 これについて、小谷氏は「ロシアにとっては、このようにウクライナを支援する国は敵対的であると認識していると思います」とコメント。そのため、欧米諸国がウクライナへの攻撃的な兵器の提供に慎重な姿勢だとの認識を示し、「できるだけ防御的な能力、今あったドローンに関しても対戦車用ですので、防御用という位置づけで、ロシアを刺激しないギリギリの支援をしようとしていることになります」と解説した。また、米国の支援により、「特にキエフに対して侵攻は遅らせることはできる」と推測した。

 両国による停戦協議は17日にもオンラインで再開される見通し。小谷氏は「今のところ、ウクライナのNATO非加盟、つまりウクライナの中立化をラインに交渉が進んでいるようです」とした。

 ただし、協議の落としどころについて小谷氏は、ロシア側の要求レベルによって変わるとの見方を示した。「ロシアが求めているのが(ウクライナの)NATOへの非加盟であれば、今話し合っているラインで決まるかもしれませんが、本当に求めているものがロシアの親露化、親ロシア派による政府を作るということであれば、今の交渉ラインではおそらくまとまらないので、ロシアはさらに攻撃を強めるのではと考えられます」と予測した。

 停戦合意の可能性については、「戦争の結果にひと段落がつかなければ、交渉というのは難しいと思います。まだ早いのではないかという気がしています」と、慎重な見方を示した。
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