SAM TRF結成秘話 小室哲哉氏に見せたダンサーのプライド「僕らがメインだったらやります」
2022年03月18日 12:40
芸能
そのころのSAMは、ダンスにストイックになるあまり、強いプライドを持つようになっていたという。「当時、歌手のバックじゃ絶対に踊らないみたいなポリシーを持ってたんですよ。俺たちはダンサーでプロになるから、歌手のバックダンサーにはならない、みたいな」。ところが、プロジェクトの話が進んでいくうちに、グループは思いもよらなかった構成に。「小室さんと話した時も、『僕らがメインだったらやります』と話が進んでいったら、ボーカルがいて、DJがいて…となっていて」と明かした。
メンバー構成から、「バックダンサーかよって」と失望もあったというが、「でも小室さんの発想もおもしろいし、乗っかってみようと入ったんですけど」と加入することになったという。
ボーカルにダンサー、DJという、今までのバンドやグループになかった構成で93年にTRFはCDデビューした。SAMは「ダンサーがレギュラーでチームにいるとか、DJがいるとかなかったので、世の中も僕らも小室さんもこの先、それがどうなっていくか分からなかったんですよね」と、不安なままの船出だったことを打ち明けた。しかし、「EZ DO DANCE」「survival dAnce」「BOY MEETS GIRL」など、数々の大ヒットに恵まれ、時代の寵児になった。
ところが、SAMの気持ちは複雑だったという。「僕ら的にはCDが売れても、レコ大を取っても、全然うれしくなかった。自分たちのダンスが評価されてないから」。さらに、「どうせ俺たちはバックダンサーとして見られてるんだなという感覚があって、曲がヒットしても、オリコン1位取ったといっても、『小室さんおめでとうございます』みたいな感覚だったんですよね」と、ダンサーとしてのプライドをのぞかせていた。