TBS日曜劇場「DCU」きょう20日に最終回 阿部寛は今後の俳優生活に向けて「エネルギーをもらった」
2022年03月20日 12:00
芸能
![TBS日曜劇場「DCU」きょう20日に最終回 阿部寛は今後の俳優生活に向けて「エネルギーをもらった」](/entertainment/news/2022/03/20/jpeg/20220320s00041000118000p_view.webp)
昨年夏ごろから半年以上の長丁場となった撮影は、最終回の放送2日前まで行われた。阿部は「特に後半は走りとか潜りとかの撮影が集中したので、ものすごい体力勝負だった。でも撮影というのはいつも、最後の方でガーッと追い込んでやっていくもの。スタッフも役者もよく対応してやれたなと思う」。晴れ晴れとしたやり切った表情を浮かべた。
これまでの放送でも水中を潜るだけでなく、全力疾走するシーンが何度もあった。撮影最終日も、30メートルほどの廊下を5、6本走った。「過去最高に走った作品だと思う。アクションをやって、走って、泳ぎもあって。吉川さんの泳ぎのレベルは本当に高いんでね、よく対応できたなと思う。流星もめちゃくちゃ走るのが速いので、それに追われながら自分も走らなきゃならない。ありとあらゆる限界を出し切りましたね」。まさに身を粉にして打ち込んだ。
映画「テルマエ・ロマエ」以来、10年ぶりに身体を鍛えて臨んだ。「撮影を通して、もっと体力がついたんですよ」と少年のようにうれしそうな笑みを浮かべた。劇中では、頭を水に押さえつけられて溺れさせられるシーンもあったが「映像では一瞬だけど、現場では1分半ぐらい息こらえてましたよ」と冗舌に語る。還暦が迫っているにもかかわらず「足も速くなっちゃって。100メートルを1回測ってみようかな」と、肉体への自信を改めて感じる撮影になったようだ。
劇中のDCUのメンバーと同じように、出演者もチームワークで撮影を乗り切った。「水中の練習の時から、既にチームワークが出来ていた。タンクを背負わせてあげたり、スーツのチャックを開いてあげたり、それぞれが助け合いながら、最後まで集中力を持ってできた。それはすごく幸せなこと。こんなに素晴らしいチームになるとは予想しなかった。感動してますよ」と振り返った。
バディーを組んだ横浜とも良好な関係を築いた。劇中では対峙(たいじ)する場面もあった2人だが「本当に流星は偉かったと思う。年齢は僕が倍以上。すごく年上に感じるはずなんだけど、すぐに飛び込んできてくれて、常にそばにいて“阿部さん、阿部さん”って。コミュニケーションの面ではバッチリでしたね。彼のおかげもあるし、距離感はなかった」と、本物のバディーのように過ごした撮影期間だった。
撮影で大変だったのはやはり水中のシーンだ。「もともと水中は得意なんですけど、いざ撮影となると、カメラがこっちを向いてるので気圧抜きのタイミングが難しいんですね。ついつい気圧抜きを忘れちゃうことがあって怖い思いもした」という。
水中でのコミュニケーションの取りづらさも痛感した。「普段は現場でスタッフの声やいろんな状況が自然と耳に聞こえてくるじゃないですか。スタッフが準備してるんだなって分かる。それがまったく聞こえないんですよ」。そこで気づいたのが、普段から自分の感覚に頼り、先読みして行動してるということ。「現場で何も言われなくても状況を読んで、察知して、どれだけやってきたか。役者って偉いんだなって」と冗談交じりに笑った。
これまでも日曜劇場の「下町ロケット」「ドラゴン桜」でそれぞれ熱い男を演じてきたが、今作はまた格別だった。「こういう熱い作品を一体感を持ったチームワークで出来たということは自信になったと思う」としみじみ。今後の役者人生に向けて、新たな力を蓄える作品になったと感じている。
「もう57歳。そろそろ今後どういうふうに演技をしていこうかと思ってたけど、また違うエネルギーが入ってきた。もうすぐ60歳になるけど、違うページがめくれるんじゃないかな。そうでないにしても、確実にプラスになった。明らかにこの半年間は、エネルギーの塊を自分の中に作れた」。充実感たっぷりに語った。
あらゆる謎が明らかになる最終回。「ハラハラドキドキの連続だと思う。僕も台本は読んでるけど、どんなふうに撮られているかは分からない。カッコいい映像になってると思いますので、視聴者の方に存分に楽しんでもらえる、濃い内容のものになっていると思う」と自信たっぷりの表情でアピールした。