2年2カ月ぶり共演 坂本龍一と吉永小百合 演奏会で反戦訴え…ウクライナへの思い込めた
2022年03月27日 05:30
芸能
ベートーベンの「第九」がメインディッシュだったが、注目は同オケのため書き下ろした新曲「いま時間が傾いて」の世界初演。坂本は「今日初めて生で聴いて、内心ぐっと来ています」と声を震わせた。続けて「どうしてもウクライナのことを思い浮かべてしまいます。本当は黄色と青の衣装を着て出たかったほど。震災と戦争とは違いますが、曲に込めた鎮魂の思いは共通。演奏が素晴らしくて、ウクライナ国歌に聴こえました」と話した。
88年公開の主演映画「華の乱」の完成披露試写会以来、2度目のサントリーホールの舞台という吉永は淡いパープルの衣装で登場。坂本の伴奏で6編の詩を朗読し、ステージから「争いがなくなればいいですね」と訴えた。終演後にも「ウクライナのニュースを見るたびに精神状態がおかしくなりそう。このままじっとしていていいのかしらと。何もできない自分が情けなくて」と胸の内を明かした。
ウクライナの“国花”をモチーフにしたイタリア映画「ひまわり」(70年公開)が好きという。ロシア軍による原発への攻撃にも心を痛める吉永は困窮する国民のために「せめてネットを通して寄付するくらいはしたい」と話し、「坂本さんのような方が世界の指導者になってくれれば」と願いを口にした。