リハで台本読み 独特「濱口メソッド」 感情込めるのは本番だけ…俳優の自然な演技引き出す
2022年03月29日 05:30
芸能
卒業後は助監督などを経て、東京芸大大学院映像研究科に入学。2015年「ハッピーアワー」がロカルノ国際映画祭で注目を集め、18年東出昌大(34)と唐田えりか(24)を起用した「寝ても覚めても」はカンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品。「偶然と想像」は昨年のベルリン国際映画祭で最高賞に次ぐ審査員大賞に輝いた。
「濱口メソッド」と呼ばれる独特の演出方法は、リハーサルでは台本を徹底して棒読みし、感情を込めるのは本番だけ。「テキストの意味を事前に一つに絞らず、多義的なまま体に取り込む」ことで、撮影現場で役者の中に「本物」の感情が生まれると考えた。映画のストーリーには出てこない、登場人物たちの過去の出来事などを設定し、実際に演じる作業も行う。
≪カンヌ皮切りに受賞ラッシュ 上映2館から全米約160館へ≫「ドライブ・マイ・カー」はカンヌ国際映画祭脚本賞など4冠獲得を皮切りに受賞ラッシュ。全米批評家協会賞、ロサンゼルス映画批評家協会賞、ニューヨーク映画批評家協会賞という3大批評家賞を全て制覇。アカデミー賞の前哨戦といわれるゴールデングローブ賞では非英語映画賞を受賞した。米国では昨年11月からニューヨークの映画館2館のみで上映されていたが、今年2月には全米約160館まで規模が拡大した。
≪興収8億円超 全国約400館に≫「ドライブ・マイ・カー」は日本でも27日までに興収8億8889万円のヒットを記録している。昨年8月の公開は115館からのスタートだったが、ロングランを続け、海外での受賞ラッシュとともに上映館も徐々に拡大。今後の上映予定も含めれば、現段階で全国398館とハリウッド大作並みの規模となっている。