小林健二九段 藤井聡太王将の“大師匠”が引退 王将リーグ4期のトップ棋士であり、棋士7人輩出の伯楽
2022年03月31日 21:44
芸能
小林は藤井聡太王将(19)=竜王、王位、叡王、棋聖を含む5冠=の師匠・杉本昌隆八段(53)の兄弟子。2人の師匠、名古屋市在住の板谷進九段が1988年2月に47歳で亡くなったため、90年10月に杉本が四段昇段するまですでに棋士だった小林が杉本を預かり弟子とし、師匠代わりになった。つまり藤井にとっては一時的とはいえ師匠の師匠「大師匠」といえる存在だった。
日本将棋連盟は今月、JR名古屋駅前にある高層ビル「ミッドランドスクエア」(名古屋市中村区)に名古屋対局場(仮称)を設けると発表した。全8冠中5冠を占め、序列1位に就いた藤井だが、タイトル戦以外では所属する大阪、もしくは東京へ自宅がある愛知県瀬戸市から早朝移動する対局が続いていた。
小林は“孫弟子”にようやく整う対局環境を「名古屋にドンと構えて東京、大阪から(対戦相手が)来るのが本来の姿。将来的に将棋会館が建つ第一歩になった」と歓迎。板谷が思い描いた「名古屋にタイトルを」「名古屋に将棋会館を」との夢が自身の引退間際に前進し、胸をなで下ろした。
王将戦挑戦権を争う挑戦者決定リーグに第30期から連続4期参戦したトップ棋士であり、4月に棋士になる徳田拳士新四段(24)まで計7人の弟子を育てた伯楽でもあった。「大山、升田先生とも対局したし、藤井王将とも指せた。次は師匠を追い越す弟子が出てきてほしい」。池永天志五段(28)、古森悠太五段(26)、井田明宏四段(25)ら20代の弟子へのエールを送った。