船江六段、王将戦1次予選で逆転勝ち 叡王戦で藤井叡王へ挑む弟弟子には「まず1勝を」とエール

2022年04月05日 19:17

芸能

船江六段、王将戦1次予選で逆転勝ち 叡王戦で藤井叡王へ挑む弟弟子には「まず1勝を」とエール
第72期ALSOK杯王将戦1次予選で冨田誠也四段に勝利した船江恒平六段 Photo By スポニチ
 第72期ALSOK杯王将戦一次予選の船江恒平六段(34)―冨田誠也四段(26)の対局が5日、大阪・関西将棋会館であり、船江が99手で勝利し、1次予選準決勝に進んだ。準決勝では石田直裕五段(33)と対戦する。
 振り飛車党の後手冨田が四間飛車を選択して高美濃、船江はトーチカ囲いに組んだ。端攻めを仕掛けた51手目▲9五歩を終局後、船江は後悔した。

 △同歩に▲9三歩と垂らしたが、直後の△5二金をうっかりしたという。5一角の閉ざされた射程が9五まで通ったため、9九香で獲れない。「指しすぎで苦しくした」。劣勢が長く続いた87手目、自王に迫ってきた冨田馬を弾く▲7八金に△同馬と獲ったのが船江にとってのチャンス到来。手にした角を91手目▲5五角と天王山に打ち据え、詰めろをかけつつ自陣にもきかせる攻防の角で逆転した。新年度の第1局を制し「最後、負けたと思ってました。いいスタートが切れたのはよかった」と笑顔。目標にする第65期以来の2次予選進出へ「A級の先生と当たれることも多いので、あと2勝したい」と意気込んだ。

 昨年度は叡王戦でのベスト4進出が光った。ただ、井上慶太九段門下の弟弟子も軒並み活躍した。稲葉陽八段(33)がA級復帰、菅井竜也八段(29)は銀河戦と朝日杯で優勝した。そして出口若武六段(26)は船江同様に叡王戦で勝ち上がり、挑戦権を獲得。28日の第1局から藤井聡太叡王(19)=王将、竜王、王位、棋聖含む5冠=に5番勝負で挑む。

 船江が叡王戦準決勝で勝利していれば、出口との井上門下対決が決勝で実現した。「決勝でやりたかった」。それでも弟弟子の成長は肌身で感じており「苦しい将棋でも逆転勝ちできるようになった。まず1勝してほしい」。昨秋から竜王戦では豊島将之九段(31)に4タテ、王将戦では渡辺明名人(37)=棋王との2冠=に4タテ。タイトル戦でも抜き出た強さを発揮する藤井に、タイトル初挑戦する弟弟子へエールを送った。
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