黒島結菜 朝ドラ「ちむどんどん」ヒロイン 「お昼寝タイム」で撮影好調
2022年04月10日 08:00
芸能
黒島は「だいぶ自然体でいられるようになりました」とほほえんだ。
「本当に今でも真央さんの姿を思い出します。大河の現場で、真央さんがみんなにあいさつする姿を見て、なるほど!と思ったんです。大事なのは基本的なあいさつで、みんなと楽しく過ごせる現場を作るのがいい。あの時、経験したこと、感じたことが、今、この朝ドラでヒロインとして現場に出て、生かされていると思います」
制作統括の小林大児チーフプロデューサーによれば、黒島はスタッフと交流を図るため、スタッフそれぞれのネームプレートを自ら作成して本人に渡し、現場で気軽に声を掛けているという。
黒島は「合間を見つけて、スタッフのみなさん一人一人と、ちょっとでも話したい。1年間も同じ作品に一緒に携わっていて、最後まで一言も話せなかったというのでは寂しいですから。全員とちょっとでも会話できたらいいなと思っています」と話す。
その言葉から感じるのは、自分の芝居のことだけにとどまらない、視野の広さだ。この7年の間にドラマ「アシガール」や映画「プリンシパル~恋する私はヒロインですか?~」で主演するなど、役者として、人間として成長したことがうかがえる。
「以前は自分に自信がありませんでした。今でも、めちゃめちゃ自信があるかと言えば、そうじゃないですけど…。私は内にこもり過ぎていた時期があったのですが、それはだいぶ克服できたし、自分のことをちょっとずつ認められるようになりました。そういうところが、成長したというか、ちょっとは大人になったかな、と思います」
月曜がリハーサルで、火曜から金曜までが撮影。土曜、日曜は休みだが、覚えるセリフの量が膨大であるため、ゆっくりと過ごせるわけではない。多忙なスケジュールの中でストレス解消法はあるのだろうか。
「撮影の合間に15分から20分くらい寝る時間を取っています。昼休みが1時間あるんですけど、なるべくご飯を早く食べて、15分か20分くらい寝ると、結構、すっきりして、その後、頑張れるんです。ちょっとお昼寝タイムを作ると、調子よく日々を過ごせます」
朝ドラは15年の「マッサン」、20年の「スカーレット」に続いて3回目。ヒロインの重責を果たす今回はこれまでより過酷な日々であることは間違いないが、この難局の先に明るい未来が待っているはずだ。
「今回、1年間撮影が続く朝ドラに関わって、作品作りの面白さを感じています。作品全体を見られるようになったのかもしれません。この経験から、自分がどういう役割を果たせば作品を良くできるのかを考えるようになるのかな、と思います。この撮影が終わったら、きっと、これまでよりもっと、この仕事が好きになっていると思います」
取材で感じたのは、みなぎる充実感。明るく元気なヒロイン・暢子を魅力的に演じてくれるだろう。
◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局総合コンテンツ部専門委員。芸能取材歴30年以上。現在は主にテレビやラジオを担当。