「鎌倉殿の13人」八重・新垣結衣を救った三谷幸喜氏の言葉 初大河「反省ばかり」も「全部報われた思い」
2022年04月10日 21:00
芸能
ヒットメーカーの三谷氏が脚本を手掛け、俳優の小栗旬が主演を務める大河ドラマ61作目。タイトルの「鎌倉殿」とは、鎌倉幕府将軍のこと。主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。新都・鎌倉を舞台に、頼朝の13人の家臣団が激しいパワーゲームを繰り広げる。三谷氏は2004年「新選組!」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本。小栗は8作目にして大河初主演に挑む。
新垣演じる八重は、北条義時(小栗)の初恋の人にして源頼朝(大泉洋)の最初の妻。父・伊東祐親(浅野和之)は平清盛(松平健)から流罪人・頼朝の身柄を預かり、監視。愛娘を奪った頼朝の命を狙った。八重は愛する頼朝と父の間で板挟みとなったがゆえに最愛の息子・千鶴丸(太田恵晴)を失うなど、次々と悲運に見舞われた。
しかし、どんな時も見守り続けてくれたのが義時。第14回(4月10日)、ついに結ばれ、夫婦に。子も身ごもった。
新垣は今回、大河ドラマ初出演。本格時代劇も初挑戦となり「現場で初めてのことがたくさんあって、反省しかないので、成長できたかどうかは分からないですけど、経験としては一つ、自分の身になったかなと思います。所作は現代劇だったとしても動きが美しく見えるのかなと思ったり、お着物を着て過ごす時間は気持ちも締まるんです。そういうことは今後、どこかで生きるんじゃないかなと思います」と収穫を口にした。
三谷氏からはアドバイスや感想も届き「これから作品に携わる時も、台詞の細かい意味まで大事にしていきたいなとあらためて思いましたし、うれしい感想もたくさん頂いて、とても励みになりました。反省ばかりなんですけど、『僕が思い描いた以上の八重さんになりました』というお言葉を頂けた時、本当に全部報われたといいますか、安心したといいますか。反省の気持ちは消えないんですけど、そういうふうにおっしゃっていただけて、本当によかったなと思いました」と打ち明けた。八重が義時に救われたように、新垣も三谷氏に救われた。
序盤、夫・江間次郎(芹澤興人)に「舟を出しなさい」と命じる(第5回、2月6日)など、頼朝を想うがゆえの行動は表面的にはわがままにも映った八重だが、その奥にあったのは芯の強さ。新垣は「頑固ですよね。言い方を変えると、意志が強い。自分の思いを忠実に行動に移すことができるのは一つ、八重さんのいいところでもあるのかなと思います。自分の大事なものをどんどん失っていってしまったので、自分の生きる意味をずっと探しているというか。ある意味、生きることへの執着、逞しさ、あきらめない力がある人だと捉えています」と魅力を強調。頼朝との縁を裂かれ、入水したという言い伝えもある八重だが、三谷氏は今回、単なる悲劇のヒロインにはしなかった。
「あの頑固さはお父さん(祐親)譲り」「八重さんの人格はお父さんに似ている」といった視聴者の感想を目にし「撮影中はそこまで意識していなかったんですけど、オンエアが始まってから皆さんの感想を読んで『確かに』『八重さんはお父さんの影響をとても受けているんだろうな』と共感しました」。“三谷マジックだったということ?”の質問に「そうだと思います」と初参加となった三谷作品の凄みを実感している。
今年元日午前0時台にNHKラジオ第1「ラジオ深夜便」に登場した三谷氏も「時代劇ですし、今まで現代劇で演じてこられたような役とは違い、生きるか死ぬかみたいな局面がやたら出てきますが、とても素晴らしいですね。もの凄く丁寧に丁寧に、お芝居をされる方。聞くと、本当に台本を読み込まれる方だというんですね。リアクションも細かいですし、的確ですし、顔のちょっとした表情の変化も丁寧に演じられていますし、素晴らしいですね。ビックリしました」と称賛。「義時の初恋の人だから、皆さん、5~6話ぐらいでいなくなると思っているかもしれませんが、とんでもないですからね。皆さんが思っている以上に登場しますから、楽しみにしておいてください」と予告した通り、義時の伴侶となった。
第13回(4月3日)のラスト。義時が待ち焦がれた八重の笑顔の「お帰りなさい」。一途な想いが叶った義時は男泣き、視聴者も感涙した。新垣は「それまでほぼほぼ笑わなかった八重さんですけど、これ以降は本当に笑顔が増えます。表情や雰囲気もガラッと変わると思います」。「八重さん」は14話中、登場人物最多となる9度のツイッター世界トレンド入り。新たな人生を歩み始めた八重の今後に一層、目を奪われそうだ。