「プロフェッショナル」小栗旬の“裏の顔”しか映っていない 密着400日の番組Dが語る魅力と衝撃の言動
2022年05月03日 07:00
芸能
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「撮られたくないものはない。聞かれたくない質問もない」。2020年12月にスタートした取材の初日、小栗はこう言い放った。その言葉通り、稽古場から移動の車中までカメラをすべて受け入れた。
予告動画には「小栗旬という役者は、この数年で死ぬんだよ」「一度もいい芝居なんかしてない、人生生きてきて」などと、スター俳優らしからぬ言葉が並ぶ。「(今の小栗旬を撮っても)おもしろくないよ」「自分がないんだよ、たぶん」。弱音を吐き、はぐらかし続ける日々。NGなしの真剣勝負。長期密着の末、最後の最後に見つけた小栗の流儀とは…。39歳、知られざる等身大の素顔に迫る。
――400日間の密着を通して和田さんが感じ取った「俳優・小栗旬」「人間・小栗旬」の魅力をお聞かせ願います。
「とにかく“人”が大好きなところだと思います。それは、単純に人付き合いが好きということではなく、人間が持つ弱さや不安、迷いも含めてすべて受け止めて愛してくれるところ。そこが、誰かを演じる俳優としても、人間としても、最大の魅力のように私は感じました。そして、立場関係なく、全員に対して“個”として接してくれる人でした。小栗さんは、どの現場でも共演者・スタッフの顔と名前をすべて覚え、必ず名前で呼びます。大河ドラマに関しては、スタッフだけでも200人近い大所帯ですが、空き時間にスタッフ表を見ながら一生懸命、名前を覚えようとしている小栗さんの姿がありました。取材中、お笑いコンビ・ティモンディの高岸宏行さんが小栗さんを『すべての人に愛情を降り注げる人』と表現してくれましたが、まさにその通りだなと感じています」
――小栗さんの言動のうち、特に印象に残るものを教えてください。
「『鎌倉殿の13人』にクランクイン(21年6月)する1カ月前、『オレは全然努力していない』と苦虫をかみ潰したような表情でポツリと発言されたこと。クランクインの半年前から、主演ドラマ『日本沈没―希望のひと―』(TBS)の撮影と並行して乗馬練習を積み重ね、ジムで体を絞り、大河ドラマの関連資料を読みあさっている姿を目の当たりにしていたので『これだけ頑張っていても、努力していると思っていないんだ』と衝撃を受けました。自身の“努力”というハードルが異常なまでに高い。それが、小栗さんのストイックさを形成していることを実感しました」
――「プロフェッショナル」には、番組制作の舞台裏を担当ディレクターの先輩・後輩がつづる連載「あいつ、どう撮った?」があります。3年先輩の奥翔太郎ディレクターが制作した「サンドウィッチマンスペシャル」(21年3月)について和田さんが書いた文章で「『プロフェッショナル』という番組は、これまで誰にも見せてこなかった裏の顔を捉えられてこそ」。小栗さんに“裏の顔”はありましたか?
「今回は、全編にわたって“裏の顔”しか映ってないと思います。小栗さんにとって、15年ぶりとなる長期密着取材。15年前のドキュメンタリーを見た方や、普段“カッコいい”役を演じる小栗さんしか知らない方にとっては、そのイメージが180度変わるのではないかなと感じています」
◇和田 侑平(わだ・ゆうへい)2013年入局。初任の福岡局を経て、宮崎局時代に制作した「鮮魚店店主」で「プロフェッショナル」デビュー。17年の異動でプロフェッショナル班に加入。「美容師・高木琢也」「新喜劇座長・小籔千豊」「料理人・米田肇」など話題作を連発している。
=書面インタビュー(下)に続く=