招待されなければ見ることができないショートフィルム「太陽―TAIYO―」 4000人以上が視聴し話題
2022年05月11日 11:54
芸能
最初の招待はキャストと関係者の約10人で開始。じわじわと広がり、ここまで4000人以上が招待され、作品を楽しんでいる。特設サイトには誰でもアクセスでき、延べ3万人以上が閲覧している。ただ、招待されなければ見ることができない。ユニークな試みとあって、SNSでも話題になりつつある。
映像は1台の車が暗闇の荒野を猛スピードで突き進むシーンで始まる。偶然に乗り合わせた5人は、互いに素性を知らない。唯一の共通点は、生き残ったということ。彼らは何から逃げているのか。暗闇の物語はどういった結末を迎えるのか。10分間と短い時間ながら、ハラハラした展開が楽しめる。
【脚本・監督・撮影の柿本ケンサク氏】
誰でも、コンテンツが手軽に作れて、誰もが手軽に発信できる時代。だからこそ、僕たち映像制作者が自由に発想し、思いきって制作するコンテンツを生み出したい。そこで、目をつけたのが、これまで、あるようでなかったショートフィルムの可能性です。
ショートフィルムであること、ショートフィルムにしかできないことで、ショートフィルムをニュースにする。
ショートフィルムだからこそ発揮できる瞬発力を最大限に生かすことはできないか?長尺ではできない、個性あるキャラクター。現実では不可能な世界観、特異な設定がショートフィルムにはある。5分で見る人を驚かせることができる、心を鷲掴みにするスピード全開の作品を制作することはできないか?
これがこの物語を着想するに至った出発点です。
物語の背景は、見えないものによって光を失った世界からの脱出劇。いわばノアの方舟に乗り合わせてしまった個性豊かな5人のキャラクターによって繰り広げられる密室劇です。見えないものによって、侵されしまうこれまでの常識。変化することを受け入れず、昨日までの価値観に固執し変化することを恐れた人間たちは、存在を抹消されていく。見えない敵=夜。という設定は、僕たちの生きる“今”この時代を表現しています。
そして、物語のキーになるケースの中身=大切なものも、目には見えない。生きたいと望んだ者が先に亡くなっていくのは、欲深くなって自己中心の世界の終了と、利他的な世界へのシフトのメタファーを表します。
2020年~2021年の混迷の時期の中、次の時代へのシフトを見据えて、前を向いて生きていく挑戦的なストーリーと映像技術の改革をもってしたチャレンジによる作品です。意外性と共に、どうやって制作されているのか?垣間覗きたくなるような設計を心がけました。