徳光和夫 ナイターの思い出は長嶋茂雄氏が語った天覧試合「これに勝る思い出はない」
2022年05月14日 17:54
芸能
長嶋氏が80歳になった際に行ったインタビューで、「目を閉じて下さい。今までで一番、印象に残っている試合は何ですか?」と聞くと、長嶋氏は「それは徳さん、天覧試合ですよ」と即答したという。
1959年(昭34)6月25日、後楽園球場で行われた一戦は、巨人が阪神に5-4でサヨナラ勝ち。昭和天皇は時間の都合で午後9時15分には球場を後にされる予定だったが、その3分前に長嶋氏が劇的なサヨナラアーチを放った。劇的な一戦は今でも語りぐさになっている。
徳光は当時の長嶋氏の心境を詳細に聞いたという。「長嶋さんは“一塁、二塁を回ったところで、天皇陛下のお顔を見たいな”と思ったそうなんですけど、お母さんから、昔の人ですから、“目を合わせてはならない。そんな失礼なことはないんだ”と(教えられていた)」と説明した。
しかしその後、長嶋氏は意を決して客席を見上げたという。徳光は長嶋氏の言葉を回想。「三塁ベースを回ったところで、“もしかすると9時15分にお帰りになるから、陛下はもういらっしゃらないんじゃないか?”と思って、ぱっと目を上げたら、“昭和天皇は身を乗り出して手を振って下さっていた”と」。長嶋氏は「そのことが自分としては忘れられない」としみじみ語っていたという。
徳光氏は「ナイターのコンサートも行きましたけど、これに勝るナイターの話はないな」と、長嶋氏の思い出を共有するかのように話していた。