名人戦3連覇・渡辺明名人 22年下半期の標的は王将リーグ「番勝負と同等の準備整えないと勝ち抜けない」

2022年05月30日 12:12

芸能

名人戦3連覇・渡辺明名人 22年下半期の標的は王将リーグ「番勝負と同等の準備整えないと勝ち抜けない」
名人戦3連覇から一夜明け、対局会場となった岡山県倉敷市で改めて喜びを語る渡辺明名人 Photo By スポニチ
 渡辺明名人(38)=棋王含め2冠=が30日、岡山県倉敷市で、第80期名人戦(毎日新聞社、朝日新聞社主催)7番勝負第5局に勝利し、4勝1敗で3連覇を達成した前日29日の喜びを改めて語った。年明け以降、スポニチ主催・第71期ALSOK杯王将戦、棋王戦、名人戦と立て続けに番勝負を消化。王将戦こそ藤井聡太王将(19)=竜王、王位、叡王、棋聖含め5冠=に4連敗で失冠したが、他2冠は防衛した。
 22年下半期のターゲットに、返り咲きを期し、4期ぶりに参戦する今秋の王将戦挑戦者決定リーグを挙げ、「番勝負と同じくらいの準備を整えないと勝ち抜けない。8月くらいになったら考えたい」と意気込みを語った。

 藤井への挑戦権を争い、渡辺に永瀬拓矢王座(29)、羽生善治九段(51)、近藤誠也七段(25)の3人が昨期からの残留組として参戦する。これに予選から勝ち上がった3人が加わる、新旧勢力混在の豪華メンバー。

 名人の防衛でまた1年間、月1局ペースの順位戦がなくなったが、「トップ棋士とのまとまった対局があるのはそこ。A級とほとんど同じメンバーと短期間にガッとやる」と王将リーグ全6局へ、高い意識で臨む構えを示した。下半期の過ごし方は王将の失冠でここ3年と違って一変する。「そこ(王将リーグ)を逆算してやる。だから去年ほど休めない」と苦笑いした。

 心地よい疲労感に浸る一方、注目対決が6月3日から始まる。藤井に永瀬が挑む棋聖戦5番勝負。両者によるタイトル戦は初めてで、「藤井王将にどう立ち向かうかはトップ棋士が抱える課題」と指摘。練習パートナーでもある永瀬がどう藤井を分析し、どんな戦術を打ち出すのかが見所という。

 両者の対局では昨年8月、竜王戦挑戦者決定3番勝負第1局で先手永瀬が繰り出した三間飛車が印象的という。「そこが一番可能性が高いと思ってやったと思う」。渡辺は藤井への雪辱を見据え、攻略の糸口を取り込みに行く。
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