犯罪心理学者の出口保行氏 ネットカフェ立てこもり事件に「ゆがんだ自己顕示欲が根底に強くある」
2022年06月22日 15:05
芸能
長久保容疑者は2012年にも愛知県豊川市の信用金庫で人質立てこもり事件を起こし、懲役9年の判決を受け、今年4月に刑務所を出所したばかりで、取り調べに対し「事件を起こせばまた刑務所に入れると思った」と供述しているという。
出口氏は「ゆがんだ自己顕示欲が根底に強くあると考えられる。社会の中で自分が生きている場所がない。そういうことを強烈に不満に思って、社会に一矢報いたい気持ちが、この時だけでも自分が世間から注目されるというゆがんだ自己顕示欲が背景には根強くあるのかなと思っています」と語った。
そして、逮捕後に移送される際、笑顔でピースしたことに触れ「逮捕された後に笑顔を見せたり、ましてやピースサインするなんてことはあり得ない。本人的には思いを遂げたという思いがあるからかえって余裕がある」と分析した。
社会復帰してわずか数カ月後の再犯にも「このタイプの犯罪者は刑務所の中で暮らすことが楽。刑務所の中は公平、世の中と違って誰もが自分という人間を認めてくれる環境の中で日々を過ごしていくわけです。そういうところでは落ち着いているんですけど、いざ出所して社会に出ると刑務所の中とはまったく違う。自分を相手してくれる人がまったくいない。その瞬間から皆無になる。逆に刑務所の中の方が暮らしやすいという思いをしてしまう。人は人に認められて初めて生きている感覚を持てる。悲しいかな刑務所の中の方が認められて生きている感覚を持てていた裏返しと思う」と語った。