TBSがニュースを漫画で伝える新企画開始 「TBS NEWS DIG」新コンテンツ「コミックDIG」
2022年06月24日 17:00
芸能
報道を漫画で伝える企画を発案したのは、報道局デジタル編集部の豊田和真氏(34)。4月18日に「TBS NEWS DIG」が開設されるにあたり、昨年末からオリジナルコンテンツの開発を進めていた。そこで「テレビを見てニュースを知る人以外にどうニュースを届けたらいいのか」と考えた時に、思いついたのが漫画だった。
豊田氏は「報道の現場はドキュメンタリーというコンテンツが生まれる場所でもあり、取材をしているとドラマよりもドラマチックなことが起こる瞬間があるんです。それをもっと視覚的に分かるように伝えられないかと以前から考えていた」と説明。自身もさまざまな漫画をスマホで読んでおり、「漫画というのはデジタル領域で戦える良いコンテンツ。正解か失敗かはまだ分からないけど、挑戦してみることがいいんじゃないか。デジタル編集部は何でも1回やってみようという部署なので、背中を押してもらっています」と意欲十分に進めてきた。
豊田氏はどのようなニュースなら漫画に出来るかと、まずは村瀬氏に相談した。その上で、昨年10月ごろに放送したコロナ給付金に関する詐欺グループの取材を漫画化することに決定した。
村瀬氏は「最初はあまり想像できなかったけど、良い話だとは思ったんです。というのも、なかなか新しい視聴者にニュースが広がっていかないのは感じていた。やっぱり見てもらってこその仕事ですから。そうした壁みたいなものがある中で、漫画を使えば、新しい読者にリーチが広がるんじゃないかと思った」と明かし、提案を快く受け入れた。
漫画の制作は次の流れだ。村瀬氏が取材を元にしたストーリーを作り、そこから漫画用の台本に作り替える。それを元にプロの漫画家が絵コンテのようなラフを制作。内容を確認し、最終的な漫画の制作に取りかかる。現状では早くても1カ月は制作にかかる。速報性はない一方で、調査報道のようなひとつのニュースを深掘りする内容は漫画化に適している。
仕上がった漫画を見た村瀬氏は「僕があまりにもかっこよく描かれている」と苦笑しつつ、「やっぱり視覚的に入りやすいと思いましたし、漫画は読む人の想像力を刺激しやすい媒体。導入部分としてはいい伝え方だと思いますね」と出来映えに満足。もちろん明かせない取材源をどう表現するかなど、クリアすべき問題点は多々あった。「調査報道は真実性が一番の柱。漫画で表現していく時に、そこの真実性をどう妥協しないで、許される範囲での表現がどこまでかというところが難しい。とはいえ、ストーリーテリングの方法として、漫画というのはすごく伝わるんじゃないかなと実感しましたね」と感想を語り、「漫画でニュースを見て、テレビで日々のニュースを見てもらうことに繋がればいいですね」と期待している。
豊田氏も「思ってた以上のものが出来上がっって、結構ビックリしました」と笑顔で話す。「今までニュースというのは、サムネイルや映像、テキストで届けるのがスタンダードだったと思うんですけど、新しい表現でニュースを届ける形がちょっとだけ見えたんじゃないかと思います。これを単発で終わらせるのではなく、継続させていくことも課題。続けていくために、これからも記者が取材されたものをコンテンツにしていきたい」と、漫画でニュースを届けることを続けていく。
閲覧はこちら【TBS NEWS DIGPowerd by JNN】 コミックDIG「インサイドストーリー 調査報道ユニット」
1話
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/76044
2話
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/76061
3話
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/76068