拓郎の“店じまい” シャイであるうちに、実にまともで紳士的な人物だった
2022年06月25日 05:00
芸能
![拓郎の“店じまい” シャイであるうちに、実にまともで紳士的な人物だった](/entertainment/news/2022/06/25/jpeg/20220624s00041000788000p_view.webp)
ストレートに言葉をつないでくる歌が好きだった。おそらく面倒くさいことが嫌いな人なんだと思う。男はこんなにもいやらしく、スケベで単純な生き物だから可愛いのだと言ってくれる存在だった。だから口ずさんだ。いわゆる「字余りソング」の草分け。たぎる感情をメロディーに乗せるには、あまりにも時間が足りなかったのだろう。
トークも天才だ。ライブ中、歌の合間にトークを挟むスタイルは拓郎さんがはしりで、ニューミュージック勢がこぞってまねをした。72年のアルバム「元気です。」は、演歌・歌謡曲以外の男性歌手で初めてオリコンチャート1位。73年に国内で初めて単独の全国ツアーを開いたのも拓郎さんだった。
生き方もまねしたかった。しかもシャイ。青春時代は情けないぐらいにシャイな生き物だった。だからシャイであるうちに店じまいしたかったのだろう。世の中の拓郎ファンはそう理解すると思う。(元尾 哲也)