野村昭子さん死去 95歳 「渡る世間は鬼ばかり」「家政婦は見た!」などで愛された名脇役
2022年07月03日 05:00
芸能
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東京薬学専門学校(現・東京薬科大学)卒で、薬剤師の免許を持つ異色の女優だった。東大医学部付属病院に勤務していたが、演劇に魅了されて1949年に俳優座養成所に第1期生として入所。卒業後に俳優座に入団し、木下順二氏作「赤い陣羽織」で初舞台を踏んだ。黒澤監督の「赤ひげ」(65年)では小石川養生所の下働きのおふくを生き生きと演じて印象を残した。
「家政婦は見た!」では市原悦子さんが所属する大沢家政婦紹介所の所長役。「渡鬼」では山岡久乃さんが演じた岡倉節子の親友で、小料理屋「おかくら」を手伝う青山タキ役。TBS「税務調査官・窓際太郎の事件簿」では小林稔侍(81)演じる太郎の母親を長く演じ、作品に欠かせない存在だった。ウルトラシリーズの第1作「ウルトラQ」にも出演。怪獣「カネゴン」に変異してしまう金男の母親を演じていた。
芸能界の後輩たちから愛され、「渡鬼」で共演した泉ピン子(74)からは「野村ママ」と呼ばれて慕われた。
◇野村 昭子(のむら・あきこ、本名増見昭子=ますみ・あきこ)1927年(昭2)1月2日生まれ、東京都出身。東京薬学専門学校(現・東京薬科大学)を卒業し、薬剤師の資格を取得。劇団「俳優座」の1期生。代表作はドラマ「白い巨塔」「渡る世間は鬼ばかり」「家政婦は見た!」や、映画「赤ひげ」「あゝ野麦峠」「あ・うん」など。