「鎌倉殿の13人」第1章完結 北条家分裂…政子が慰留!義時に渡った頼朝の“形見”パワーゲーム開幕へ
2022年07月03日 20:45
芸能
稀代の喜劇作家・三谷幸喜氏が脚本を手掛ける大河ドラマ61作目。タイトルの「鎌倉殿」とは、鎌倉幕府将軍のこと。主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。新都・鎌倉を舞台に、頼朝の13人の家臣団が激しいパワーゲームを繰り広げる。三谷氏は2004年「新選組!」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本。小栗は8作目にして大河初主演に挑む。
第26話は「悲しむ前に」。落馬した源頼朝(大泉)の容体を心配する政子(小池栄子)。安達盛長(野添義弘)が涙に暮れる中、北条義時(小栗)は先を見据え、大江広元(栗原英雄)らと頼朝の嫡男・頼家(金子大地)を次の鎌倉殿とする新体制作りを始める。しかし、頼家の乳母父・比企能員(佐藤二朗)の台頭を嫌うりく(宮沢りえ)が、夫・北条時政(坂東彌十郎)を焚きつけ、この流れに対抗。鎌倉に不穏な空気が流れる中、狩りから戻り、父・頼朝の容体を知らされた頼家は…という展開。
政子らの願いは届かず、頼朝は荼毘に付された。事切れる前、頼朝は起き上がって縁側に座り、政子が運んだ食事の器を手に「これは何ですか?」。遺骨は生前、最もつながりの深かった盛長が運び、御所の裏にある持仏堂に納められた。
頼朝の跡を継ぐのは、頼朝の嫡男・頼家か、頼朝の異母弟・阿野全成(新納慎也)か。政子は息子に託した。
全成擁立を図った時政は「裏切りやがったな!」、りくは「いけしゃあしゃあと比企の肩を持って」と激怒。全成の妻・実衣(宮澤エマ)も「騙されちゃダメよ。すべてお見通しですから。結局、姉上は私が御台所になるのがお嫌だったんでしょ。そうに決まってる。私が自分に取って代わるのが許せなかった。悲しい。そんな人ではなかったのに。力を持つと人は変わってしまうのね」と決裂。北条家は“空中分解”した。
御所、政子の居室。
政子「色々ご苦労さまでした」
義時「私のやるべきことは、すべて終わりました。長い間、ありがとうございました(頭を下げる)」
政子「どういうこと」
義時「私はこれで、鎌倉を離れます(立ち上がる)」
政子「待ちなさい」
義時「(振り返り)姉上、私は頼朝様のために、この身を捧げて参りました。頼朝様が亡くなった今、ここにいる意味はありません。(座り直し)頼朝様に憂いなく旅立っていただくことが、私の最後の仕事と思っておりました」
政子「馬鹿なこと言わないで」
義時「政所は文官の方々に、侍所は梶原殿や和田殿に任せておけばいい。平六もおります。それぞれが私欲に走らず、頼家様をお支えすれば、この先も安泰。北条もしかりです。五郎もいれば、息子太郎もいる。皆で父上を支えていくのです。そして、鎌倉の中心には姉上が。誰とでも隔てなく接することのできる姉上がいる」
政子「あなたは」
義時「(涙を拭い)私は伊豆へ帰ります。米の勘定をしながら、ゆっくりと過ごします」
政子「なりませぬ」
義時「姉上、これからの鎌倉に私は要らぬ男です」
政子「頼家を助けてやってちょうだい。(義時は首を振り、立ち上がる)。あなた、卑怯よ!わたくしにすべて押し付けて、自分だけ逃げるなんて。あなたに言われて腹を括ったんですから、少しは責任を持ちなさい!(立ち上がり、義時の手を取り)これまで頼朝様を支えてきたように、これからはわたくしを支えてください。お願い」
政子は義時に小さな観音像を手渡した。それは「臨終出家」の際、三善康信(小林隆)が頼朝の髻(もとどり=髪を頭の上で束ねた髪形)を切った時に出てきたもの。頼家は幼き頃、小さな観音像をくれた乳母・比企尼(草笛光子)に「観音様は捨て申した。挙兵の時、源氏の棟梁として甘く見られてはならぬと」と告げていた。
義時「姉上…」
政子「鎌倉を見捨てないで。頼朝様を。頼家を」
義時は小さな観音像を握り締めた――。
次回、ついに新章に突入。頼朝亡き後、タイトルの“13人衆”によるパワーゲームの火ぶたが切られる。苛烈な“権力闘争(バトルロイヤル)”の行方は…。