海老蔵 襲名興行の演目発表 勸玄くん大人の演目に挑戦「お父さんみたいに…」

2022年07月08日 05:30

芸能

海老蔵 襲名興行の演目発表 勸玄くん大人の演目に挑戦「お父さんみたいに…」
あいさつ堀越勸玄くん(左)と笑顔を見せる市川海老蔵(撮影・木村 揚輔) Photo By スポニチ
 11、12月に「十三代目市川團十郎白猿」を襲名する歌舞伎俳優の市川海老蔵(44)が7日、東京・歌舞伎座で襲名興行の演目発表会見を行った。八代目市川新之助を名乗る長男の堀越勸玄くん(9)も出席。史上最年少で歌舞伎十八番の「毛抜」を務めることが発表された。
 緞帳(どんちょう)が上がると、黒の紋付き袴(はかま)姿で親子が姿を現した。約100人の報道陣が見守る中、海老蔵は「まだコロナ下は続いていますが、新しい光になれれば」とあいさつ。勸玄くんも「歌舞伎が好きなので楽しみにしています」と晴れやかな表情を浮かべた。

 「勧進帳」「助六由縁江戸桜」など、成田屋に伝わる人気演目がずらりと並ぶ構成。海老蔵は「王道の演目を選んだ。苦しみ、あがき、歌舞伎に向き合う。父から教わった芸を務め、お客さまの目に何か変わったと思われるようになりたい」と350年続く市川宗家の伝統の重みをかみしめた。

 勸玄くんには前人未到の挑戦となる。成田屋の歴史の中で史上最年少で「毛抜」を主演。主人公の名推理でお家騒動を解決する人気作。色男っぷりを表現する繊細さや、悪人を豪快に成敗する荒々しさが求められる難役だ。

 通常は子供が演じる性質の芝居ではない。海老蔵は「男女の機微を表現する9歳…。毛抜を使うほどひげも生えていない。大変難しいお役」とハードルの高さを強調。「私の父(十二代目市川團十郎さん)に似て、おおらかさがある。それは大事な資質。稽古の真っ最中ですが、何とか間に合う」と息子の才能と吸収力に期待を込めた。

 今回の挑戦は勸玄くんからの発案だった。理由について問われると「お父さんみたいに凄い役者になりたいから」。歌舞伎の伝統と未来を担う八代目新之助。大役に心を躍らせていた。

 《ぼたん登場ある?》12月の昼の部では歌舞伎十八番に数えられる「押戻し」が上演される。荒れ狂う怨霊などを花道から舞台上に押し戻し、退散させる荒事だ。その題材となるのが舞踊劇の「道成寺」。関係者は「長女の市川ぼたんが舞踊家として活躍しており、登場する可能性もあるのではないか」と期待感を口にした。

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