優希美青 「ちむどんどん」で若い頃の優子役 「楽しい思いを全て抜いて臨んだ」
2022年07月20日 08:20
芸能
「私は仲間由紀恵さんが大好きなんです。母が『ごくせん』が好きで、小学生の頃から母のDVDを見ていました。だから、仲間さんが演じる優子の過去を演じられることがうれしかったんですけど、私で大丈夫かな?という不安もありました」
──仲間さんに会いましたか?
「台本読み合わせの時、一瞬だけ、ごあいさつさせて頂きました。やはり、おきれいだったので、そこからまた一気に不安になりました。ああ、どうしよう…どうしたら、あんなきれいになるんだろう…と考えました」
──演じるに当たって仲間さんを意識した部分はありますか?
「意識しました。最初の琉球舞踊のシーンを撮影した時はまだ『ちむどんどん』の放送が始まる前だったのですけど、他のシーンの撮影の時は放送が始まっていたので、優子の笑い方や、おっとりした感じはなるべく似せられたらいいな、と思いました。でも、にっこり笑うシーンはありませんでした(笑)」
──2013年の「あまちゃん」、15年の「マッサン」以来の朝ドラの現場はいかがでしたか?
「普段、1、2台のカメラで撮影することが多いので、カメラが4台もあると、朝ドラに帰ってきたという気持ちになりました」
──琉球舞踊の場面の撮影は?
「初めて琉球舞踊を踊りました。お姉ちゃんの見よう見まねで踊るシーンだったので、指導の先生からは『あまり上手に踊らなくても大丈夫』と言われていて、見よう見まねで頑張りました。お姉ちゃんの指のしなやかさが凄いと思ったので、完璧に踊ろうとしたら大変だったと思います」
──終戦後に沖縄の収容所で賢三と再会する場面は?
「久しぶりに、もんぺをはきました。『マッサン』の時に戦争中のシーンを経験していたので、緊張せずに落ち着いて臨めた気がします。監督さんから『弟が自分の手の中で亡くなり、家族は誰も生き残っておらず、1人、孤独感の中で寝転がっている』と説明して頂いて、演じやすかったです」
──仲間さんの出演場面と交互になることは?
「本当にうれしかったです。光栄なことだと思いました」
──初めての朝ドラ「あまちゃん」の撮影で思い出すことは?
「撮影の時は13、14歳で、何も分からなくて、カメラ目線ばかりしていました(笑)。それまでカメラを見てポーズを取る仕事をしていたので、自分がセリフを言っている時にカメラがこちらに向かって動いて来ると、どうしてもチラッと見ちゃうんです。でも、温かい現場で楽しかったし、朝ドラに出て祖母が喜んでくれたので、また出たいと思いました」
──女優の仕事を続けていて大変な部分は?
「私が演じる役は深刻なシーンが多いんです。そういうシーンの時は、朝から気持ちを作って現場に行くので、マイナスな気持ちの日の方が割と多いんです。撮影が終わると、達成感と同時に疲労感がどっと出て、しばらく抜け殻の状態になることがあります」
──「ちむどんどん」でもこれからとても深刻なシーンがあります。
「本当に大変なことを経験した女性なので、撮影の日は朝から、自分の楽しい思いを全て抜いて臨みました」
──今年の秋には出演作「赤ひげ4」(NHK・BS時代劇)が放送される予定です。
「医師見習いのつぐみは前回、父への反抗期みたいに赤ひげ先生に対して反抗的な態度を取っていたけれど、今回は落ち着いて全力で治療に取り組む、成長した姿をお見せできると思います」
──今後の抱負は?
「何にでもなれる女優さんになりたいです。主演として輝く部分もあれば、縁の下の力持ちとして支える部分もあるような、監督さんから『優希さんがいると安心』と言ってもらえるような、いろんなことに対応できる女優さんになりたいです」
──やってみたい役柄は?
「私はまだ女子高生役をやりたいと思っています(笑)。昔は『顔が大人っぽい』ということで女子高生役がなかったんですけど、今は年齢が追いついてきたので、この年齢なりのフレッシュな役、キラキラと青春に没頭している役に挑戦したいです」
──ファンにメッセージを。
「いろいろな作品に出て、同じ人が演じていないように見えるお芝居をしたいと思っています。いろいろな作品を見て頂いて、それぞれから違う印象を感じてもらえると、うれしいです」
21日の放送では、沖縄で一緒に暮らし始めた優子と賢三が描かれる。優子が初めて賢三に向かって感情をあらわにするシーンは必見だ。優希美青がなぜ仲間由紀恵の役の若い頃を演じるのか?その答えをそこに感じる視聴者は少なくないだろう。
◇優希 美青(ゆうき・みお)1999年4月5日生まれ、福島県出身の23歳。2012年、第37回ホリプロタレントスカウトキャラバンでグランプリを獲得してデビュー。13年公開の映画「空飛ぶ金魚と世界のひみつ」、21年公開の映画「NO CALL NO LIFE」などで主演。身長159センチ。
◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局総合コンテンツ部専門委員。テレビやラジオ、映画、音楽などを担当。