やり投げ世界陸上銅の北口 高校から競技始めてわずか1年で才能開花 チェコへ単身武者修行で飛躍
2022年08月13日 10:00
芸能
3歳で水泳を始め、地元のスイミングクラブに通いながら小学1年生からはバドミントンの選手としても活躍。小学6年生の時に対戦した相手は、現在バドミントン界をリードする山口茜。長身を活かしたスマッシュを武器に互角の戦いを見せていた。この年、全国大会の団体戦で優勝も経験。さらに中学生になると、水泳でも全国大会に出場するなど頭角を表した。
高校までやり投げはおろか、陸上とも無縁だった北口だが、顧問の先生から誘われたことがキッカケでやり投げの道へ。練習を始めて1カ月ほどで才能が開花。競技歴わずか1年で高校生のタイトルを総なめ。さらに15年の高校3年生の時に世界ユース選手権に出場し優勝し、ユース世代のトップ選手となった。
その後、世界で戦える選手を目指して投擲種目の名門・日本大学に入学。そしてやり投げの強豪国・チェコへの単身武者修行。指導を仰いだのはチェコのジュニア代表コーチを務めるデイビッド・シェケラック氏。シェケラック氏が北口に徹底させたのは“やりを投げないトレーニング”だった。「やり投げで最も大切なのは基礎体力。特に重要なのが助走。やり投げは腕の振りだけではなく、60%が助走で決まる」という。
1日の練習時間はおよそ2時間で短い時間で集中してトレーニングを行い、やりを投げるのは週に1回だった。このトレーニング方法が北口の成長を加速させ、リオ五輪銀メダルに相当する66メートルまで記録は伸びた。シェケラック氏は「彼女に70メートルを投げさせることが私の目標」と語る。北口は世界陸上で銅メダルを獲得した際には「違う文化を理解してくれたコーチを含め1つのチームで獲った結果。ここがまだ私のゴールじゃなくて、これから金メダルを目標に頑張りたい」と先を見据えている。