【鎌倉殿の13人 バトルロイヤル】残り8人 諦めの悪い比企能員 佐藤二朗「激しい憎悪の火を燃やして」

2022年08月20日 13:50

芸能

【鎌倉殿の13人 バトルロイヤル】残り8人 諦めの悪い比企能員 佐藤二朗「激しい憎悪の火を燃やして」
大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第31話。北条に捕らえられた比企能員(佐藤二朗)(C)NHK Photo By 提供写真
 俳優の小栗旬(39)が主演を務めるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(日曜後8・00)は14日、第31話が放送され、俳優の佐藤二朗(53)が硬軟自在に演じ、唯一無二の存在感を放ってきた“13人衆”の1人、比企能員の最期が描かれた。北条と比企が繰り広げた苛烈な権力闘争も、ついにピリオド。“13人の宿老”は残り8人となった。
 <※以下、ネタバレ有>

 稀代の喜劇作家にして群像劇の名手・三谷幸喜氏が脚本を手掛ける大河ドラマ61作目。タイトルの「鎌倉殿」とは、鎌倉幕府将軍のこと。主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。新都・鎌倉を舞台に、13人の家臣団が激しいパワーゲームを繰り広げる。三谷氏は2004年「新選組!」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本。小栗は8作目にして大河初主演に挑む。

 佐藤演じる比企能員は、源頼朝(大泉洋)の乳母・比企尼(草笛光子)の甥にあたる武蔵の豪族。頼朝亡き後、13人の合議制に名を連ねた。2代鎌倉殿・源頼家(金子大地)の乳母夫を務め、頼家の側室となった娘・せつ(山谷花純)が嫡男・一幡を生むと、さらに台頭。頼家の跡継ぎをめぐり、北条との覇権争いは熾烈を極めた。

 第31話は「諦めの悪い男」。頼家(金子)の後継者をめぐり、激しさを増す北条と比企の争い。能員(佐藤)は娘・せつ(山谷)が産んだ頼家の長男・一幡(相澤壮太)を推し、早々に朝廷の許しを得ようと躍起になるが、大江広元(栗原英雄)らは取り合わない。一方、北条義時(小栗)は比企の動向を探るよう妻・比奈(堀田真由)に頼み、三浦義村(山本耕史)にも相談を持ち掛ける。そんな中、政子(小池栄子)の元に北条時政(坂東彌十郎)りく(宮沢りえ)夫妻らが集まり…という展開。

 建仁3年(1203年)に起こった「比企能員の変」。史書「吾妻鏡」には、能員は仏事の相談があると時政に呼ばれたため武装しなかったとあるが、今作は関東・関西の統治権交渉が決裂し、時政から和議の申し入れ。能員は胆力を示そうと丸腰で北条館に向かったが、義時たちの騙し討ちに遭った。しかし、能員もしぶとく、着物の下に鎧を仕込む“諦めの悪い男”だった。

 番組公式ツイッターに公開された佐藤の「かまコメ(撮影直前・直後の音声コメント)」(2分18秒)は以下の通り。

 ▼比企能員の最期 死ぬシーンは大事だと言われるんですが、その前の時政と2人っきりのシーンとか、あるいは第30回の、廊下を挟んで義時と2人で対峙し、その後、善児が出てくるシーンとかの方が、僕としては大事なように思っていたんです。それでも、最期の、今撮影したばかりの死ぬシーンのリハをやったら、小栗義時と坂東彌十郎さん演じる時政の親子が凄く色々、僕より真剣に提案しているんですよ。「ここはオレが刀を抜きたい」とか「オレが口で言って」とか小栗が言ったり、彌十郎さんも「こういうやり方もある」と言ったりして、色んなことを提案してくれて。演出担当の若い保坂(慶太)監督も、こっちが思ってもいないような演出をしたり、(チーフ・)プロデューサーの清水(拓哉)さんも色々提案してくれたりというのを見て、僕が死ぬのに周りの人の方が積極的で、ハッと思ったんですよね。前の時政との2人のシーンや義時との2人のシーンの方を、大事に、というとあまりよくないけど、そういうふうに思っていたのに、何だか周りが凄く積極的で。「いかんいかん!もっと高みを目指さなきゃ」ってツイッターに酔っ払って書いちゃったんですけど、そういう気持ちになれてうれしかったんですよ。俳優って、どの仕事もそうだけど、1人でやっている仕事じゃなくて、共演者や周りのスタッフに押し上げられるというか、「おいおい、もっと来いよ!」と引っ張られるような感覚になる時が、俳優をやっていると確かにあるんです。それを味わって、うれしくて備忘録で書いておきたいと思って、酔っ払って書いたらニュースになってしまったんですけど(笑)。それは余談だとして、僕はとにかく北条の親子と憎しみ合う役ですから、役者として普段は仲がいいんですけど、カメラが回っている時には当然、激しい憎悪の火を燃やして、最後までやり切ろうと思ってやっていました。

 【13人衆】残り8人[北条](1)北条時政(2)北条義時[三浦](3)和田義盛[武蔵](4)足立遠元[常陸](5)八田知家[文官](6)大江広元(7)三善康信(8)二階堂行政

 【鎌倉殿の13人 バトルロイヤル&第31話“退場者”】番組公式サイトの「登場人物」欄にあるキャラクターのうち、劇中、その最期や鎌倉を去ったことが言及された人物。カッコ内は討った人物、要因(※印は推定、遠因)(★は13人衆)

 <第28話>★中原親能(三幡の乳母夫だったが、三幡が病死。出家し、鎌倉を去る)、★梶原景時(上洛を計画したが、北条義時が阻止→首桶=第29話)

 <第29話>★三浦義澄(病死※北条時政が振り払う)、★安達盛長(比企能員「奸賊梶原景時がいなくなりましたな。義澄と盛長も去り、もはや宿老たちの評議はあってないようなもの」)

 <第31話>頼全(源仲章の沙汰)、★比企能員(仁田忠常)、せつ(トウ)、道(※北条方)、比企時員(※北条方)

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