【芸人 イチオシ】プロ初登板果たしたティモンディ高岸を“制球”する相方・前田、涙必至の初勝利心待ち

2022年08月20日 09:00

芸能

【芸人 イチオシ】プロ初登板果たしたティモンディ高岸を“制球”する相方・前田、涙必至の初勝利心待ち
<栃木・埼玉>力投する栃木先発のティモンディ・高岸宏行(撮影・久冨木 修)     Photo By スポニチ
 【芸人 イチオシ】野球の独立リーグ、ルートインBCリーグ・栃木の投手として初先発初登板を果たした「ティモンディ」高岸宏行(29)の雄姿を見守った相方・前田裕太(29)。愛媛の名門・済美高でともに投手として切磋琢磨(せっさたくま)しあった仲間だけに、その思いはひとしおだ。前田によると、高岸の最大の武器はムービングボール。パンチの効いた球で1日も早い勝利を願っている。
 「やればできる!」と元気な声で周囲をもり立て、ド直球な性格で知られる高岸の得意球は、見る人を勇気づける「エール球」。しかし、それはあくまでテンションのお話。相方からすると、野球選手としては「低めのちょっと曲がるストレート」がイチオシだ。いわゆるクセ球のムービングボールで、打者の手元で左右に動く。途中までストレートに似た軌道で球種の判別が難しく、バットの芯で捉えられないために結果として打ち損じが増える。外国人選手の多くが得意とする球だ。

 14日の初登板では最高球速で140キロをマークし、2回3安打の3失点で降板。緊張による力みからか、ボールが高めに浮き5四球を与えた。一方で投球がしっかり低めにいくと、得意のムービングボールが威力を発揮。ゴロに打たせて取る展開で、アウトを積み重ねた。

 打者にとっても大変なら、球を捕る方も一苦労。高校時代から高岸のクセの強さに前田は「何度突き指したか分かりません。捕手からは“親指クラッシャー”って呼ばれてたくらいですから」。一番身近で球筋を見極めてきただけに説得力がある。

 初登板でも初回で暴投するなど「普段ないシチュエーションの中で気持ちを修正することが苦手なんです」と分析。猪突猛進タイプで、不器用さが弱点。だが、芸人としての体を張る能力はピカイチでNGなし。「撮影中にわさびのチューブを飲んでって渡したら、嫌な顔一つせず、ゼリー飲料みたいに飲んじゃう。愚直なヤツなんです」。何でも“全力投球”だ。

 初登板で本塁打を打たれ、打者に拍手するという奇想天外な行動も「敵にエールを送るなんて、さすが!」とネットで話題を呼んだ。この周囲を笑顔にする力も天性のもの。ただし、行き過ぎてもダメ。そこで相方である猛獣使いの前田がうまくバランスをとって“制球”している。

 「あいつのいいところは、とにかく野球を楽しんでいること。80歳になった時とかに“あの時は楽しかった”と思えるような時を過ごしてほしい」

 高校時代には互いにファストフード店で「プロ野球選手になる!」という夢を語り合った2人。10年越しの夢をかなえ、「高岸は大学の時に、全てをささげてきた野球を1度諦めた。その瞬間を知っているので…友達、そして相方として本当によかったな、と思います」と目をうるませた。

 真っすぐすぎる性格から繰り出されるクセ球はプロで十分に通用する。初勝利のあかつきには、女房役の前田の涙腺が崩壊することだけは間違いなさそうだ。
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