新型コロナ重症度分類 倉持仁医師らが警鐘「今のコロナに対応していない…ほとんどの患者は軽症に」
2022年08月23日 21:00
芸能
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しかし、倉持氏によると、この分類がオミクロン株の特性を踏まえたものではないという。「重症という定義は、いわゆる呼吸不全を起こして、呼吸ができなくなるから人工呼吸器やECMO(人工心肺装置)が必要だった」。それが、オミクロン株では状況が違うという。「今はそういう症例が非常に少なくなっていまして、どちらかというと全身状態が悪くなって、自宅待機している間、施設にいる間に衰弱して、人工呼吸器をする間もなく亡くなってしまう方が非常に多い」と指摘した。
厚労省の分類は「肺炎があるかないかに着目した分類なんです。今のコロナには対応していない。ほとんどの患者は肺炎がないですから、軽症に分類されちゃう」とし、「そうすると、全身状態が悪くても、運ばれないという事態が次々と起こっていて、そういった中で死者数が増えてしまっているのが現状だと思います」と分析した。
医師で国際医療福祉大学の松本哲哉主任教授は、「倉持先生のおっしゃる通り」と賛同した。「今の定義は、オミクロン株の患者さんに対しては正直言って当てはまらないと思います。肺炎というのに遭遇しませんので、軽症か中等症の1くらいに収まる人が多いんですね。患者さんはオミクロンであっても、高齢者の方は腎臓が悪くなったり、心臓が悪くなったりと状態は悪い。それを軽症とか中等症と言っていること自体が、その患者さんに対しての重症度をちゃんと診ていないとなっている」と、現状を懸念。「呼吸器の基準だけで評価したら見誤ってしまう」と警鐘を鳴らした。