伊武雅刀 「いい声」評価は「コンプレックスだった」 国民的アニメ出演で感じた役の人気ぶり
2022年09月04日 17:10
芸能
子供のころから映画が好きで俳優を目指していたという伊武。「『劇団雲』養成所に入って、大好きだった山崎努さんとか文学座からだーっと抜けた人がキラ星のごとくいて。俺もここに入れば、その仲間に入れると甘い考えで。養成所にいたんだけど、1年目でいきなり貼り紙に『当所において右の者退団を命ず』ってクビですよ。素行も悪かったんだけどね、ギリシャ悲劇とかシェイクスピアとか読まされて、そんなもん読まされて俺の映画俳優の道はどこにあるんだよって」と素行不良がなおらず、クビになってしまった。
「そこで新宿の飲み屋とかで知り合った人と集まって劇団作ったんですよ。自分たちで切符を売って、年に2回くらい公演して、公演ない時はアルバイトして。そんな最中に声がいいと。俺は劇団の主宰者から、“キミは声『は』いいけどね”って言われてて、どっちかっていうとコンプレックスだったんだよね。声は人が言うほど、自分の武器だと思ってなかった」と当時の心境を明かした。
そんな中で声の良さを買われ、1974年、25歳の時に「宇宙戦艦ヤマト」でデスラー総統役を演じた。「俺、アニメーションってほとんどやったことがなかった。絵が全部できてるわけじゃなかったんだよね、赤い印が終わるまでにセリフをおさめてくれとか。だから『ヤマトの諸君、また会えてうれしいよ』とか言っても、とっくに(尺が)終わってるの。だけど、自分の間を無視すると味が出ない。そしたらプロデューサーが“画延ばすから好き勝手やっていいよ”って言ってくれて、やりやすかった」と懐かしんだ。
「当時は劇団にも入ってたから。ものすごい人気があってね!デスラーって。バレンタインデーに山ほどチョコレート来たの。“そうとう”来ましたよ!」とダジャレを交えて笑いを誘っていた。