加山雄三 「音楽を愛してきたのは親父のおかげ」父・上原謙さんに感謝 父のために作曲し、演奏会も
2022年09月05日 16:04
芸能
「親父がクラシック、お袋は演歌が好きだったんです」とも語ると、「僕の子供の頃はね、子守歌を歌い出すと、僕が泣くんだそうです。“どうしてこの子は子守歌が嫌いなんだろうか”って言ったら、マイナーコードが大っ嫌いなんですね。それでやめて『セントルイス・ブルース』をかけてやると、すやすやと眠ったそうです。変わってる。ただ、音に対して敏感なことだけは」とのエピソードを明かした。
また加山が子供の頃、家には足踏みオルガンがあったが、親戚が「バイエル74番」を弾いているのを見た加山が「なんとか覚えさせてくれ」と言い出し、1時間で弾けるようになったという。「それでこれは親父、音楽的に才能あると思ったんで、中古のピアノを買ってくれたんです」と音楽環境を整えてくれたとした。
「親父ってのは素晴らしいなと思ってね。あの親父がいたから今の自分がいるんだなと思いますけど、やっぱり音楽の影響っていうのは大きいですね」と感謝を口に。上原さんが趣味で楽器をやっていたと振られると、「そう、昔ね、フレンチホルンを。大学にいた頃に。下手くそだったらしいんで、周りで評判良くなかったのでやめたらしいんですよ」と笑ってみせた。
加山はそんな上原さんへの感謝の気持ちから、「父に捧げるピアノコンチェルト」を作曲したこともあった。「全曲作りましたからね、1楽章、2楽章、3楽章ってね。それをね、オケでお客さん入れてね、ピアノを羽田健太郎さんに弾いてもらってね。それでオーケストラをね、うちの親父をね、見に来させて、それで演奏したんですよ」と回顧。そして演奏が終わると加山は「親父、上がって来い」と上原さんをステージに上げ譜面を渡したという。「そしたら(上原さんは)“ありがとう”って。ボロボロと涙を」と喜んだとした。
「これで親孝行ができたなと思ってね。それ凄い印象に残っててね、音楽を愛してきたのは親父のおかげだし、こういうことでお礼ができたっていうのは、生きてるうちにできたっていうのは良かったと思いますね」としみじみと話した。