福原遥 朝ドラ「舞いあがれ!」ヒロイン 「等身大で物語の中で生きたい」
2022年09月20日 08:00
芸能
「私は昔から見ていて『応援したくなる存在』でした。演じるのなら、見ていただくみなさんに共感してもらい、応援してもらわなくちゃいけない。私はみなさんに元気を与えなくちゃいけないと思っています」
小学校1年生だった2005年に子役としてデビュー。その後、09年から13年まで放送されたNHK・Eテレの子供向け番組「クッキングアイドル マイ!マイ!まいん!」の主人公を演じて「まいんちゃん」の愛称で親しまれた。
女優業を強く志すようになったきっかけが2011年のNHK連続テレビ小説「おひさま」。ヒロイン・陽子を演じる女優の井上真央にあこがれ、自分も同じ道を歩みたいと考えた。
「その頃、中学生で、学校のことや仕事のことで少し悩んでいたんです。でも、『おひさま』を見て、ヒロインがいつも太陽のような笑顔で、どんな困難に遭っても明るく前向きに進んでいく姿を見て、勇気をもらいました。自分の考え方ひとつで人生は変えられる。私も、何があっても前向きに頑張りたい。そう感じたことが私の中で大きかったんです」
女優として朝ドラのヒロインのオーディションを受けること計4回。過去3回は最終審査まで進めなかったものの、今回は2545人の応募者の中から選出されるに至った。ようやく実現した夢だからこそ、それに懸ける思いも人一倍だ。
「ヒロインを演じる上で大切なことはいっぱいあると思います。作品は見ていただくみなさんに向けて作るので、どんなメッセージを届ければ良いのかということをいつも考えながら向き合っています。演じるに当たっては、ウソをつきたくありません。私は特に技術があるわけではないので、等身大で物語の中で生きていきたい。繊細な気持ち、ちょっとした心の揺れを大事にお芝居をしていきたいと思っています」
膨大なセリフ量と長い撮影時間。肉体的にも精神的にも大変なはずだが、その表情は明るい。
「スタッフのみなさんに支えられています。温かく向かい入れてくださって、第2の家族みたいな感覚です。現場でもたくさん話しかけてくれて楽しい環境をつくってくださっているので、いつもリラックスして演じることができます。あとは家族や友人が定期的に連絡をくれて応援してくれるので、日々安心して、落ち着いて撮影に臨めています」
演じるヒロインの舞は、広い空に風を受けて力強く舞いあがる「ばらもん凧」に魅入られ、やがてパイロットを目指す。
「私も飛行機がすごく好きで、飛行機で高い所から見る景色がすごく好き。スカイダイビングはやったことがないので、いつかやってみたいです」
多くの人を明るい気分にさせそうな、朗らかな笑みを見せた。
◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局総合コンテンツ部専門委員。テレビやラジオ、映画、音楽などを担当。