古舘伊知郎が弔問 猪木さんへ「魂はまた動き出す しばし休んでください」
2022年10月02日 05:01
芸能
最後に会ったのは9月27日。「会いたい」と電話で呼ばれた。自宅のダイニングテーブルに姿を見せたが、しゃべるのもつらい状況。ベッドに行くことを促し、古舘は椅子を持って横に行った。「脚をさすったり、もんだり。疲れちゃうから何もしゃべらなくていいと思って」。その時、猪木さんが目を開いて「明日、早いの?」と言った。「こんなにつらいのに、猪木信者に最大限の気を使うんです」。猪木さんらしい言葉に、古舘は「早くないです」とウソをついた。少しでも一緒にいたかった。これが最後の会話となった。
テレ朝に入社した1977年からプロレス実況を担当し、87年まで11年間出演。「思えば戦後の敗戦、焼け野原にプロレスの炎がともって、高度経済成長の波とともに、猪木の闘いが花開いていったのであります」――。独特の名調子で激闘を伝えた。勇退時には大阪城ホールで猪木さんらに胴上げされ、チャンピオンベルトをもらった。これが家宝。
その後も選挙の応援などで、交友関係が続いた。亡きがらにはこう言葉をかけた。「魂はまた動き出すでしょうから、しばし休んでください」。輪廻(りんね)転生。闘魂は死なないと思っている。