服部慎一郎五段 渡辺名人討ち!リーグ最年少23歳が初白星 王将戦挑戦者決定リーグ
2022年10月08日 05:32
芸能
「中盤が凄く難解で、(75手目)[先]2四歩(A図)と突き捨てて(81手目)[先]5四金と出て少しよくなったかと思いました」
矢倉戦の守り駒である右金を前線に投入し、6九飛の後方支援で主導権を握った。その後、金銀3枚と角による渡辺の堅陣を、縦からサイド攻撃への切り替えで突き崩した。
プロ棋士の最低段位・四段でリーグ初参戦を決めた後、9月30日の対局で勝利し、五段に昇段した。四段での参戦は第66期の近藤誠也七段(26)以来6期ぶり4人目で、「とりあえず1勝にホッとしてます」。7人総当たりで挑戦切符を争う2カ月間の短期決戦は、全勝はもちろん全敗もあり得る。リーグ最年少の23歳は笑顔を見せた。
五段昇段後の初白星であり、名人からもぎ取った3度目の対戦での初勝利でもあった。「五段での初白星は意識しなかった。残り4局、どの将棋も全力で戦っていきたい」。同じ関西本部所属で3歳年下の藤井聡太王将(20)に出世争いで後れは取った。「藤井さんからタイトルを獲る」。そう意気込み、有言実行を期して自らに負荷をかけ、三段時代より勉強時間を増やして背中を追った。
過去10期、1敗か2敗での挑戦権獲得は8期ある。1敗は当然、圏内だ。
◇服部 慎一郎(はっとり・しんいちろう)1999年(平11)8月2日生まれ、富山市出身の23歳。中田章道七段門下。趣味はランニングと漫才で、高校時代の友人とコンビ「もぐら部隊」を結成したことも。