藤井竜王に意外な“鬼門” 防衛戦第1局に限定すると2勝4敗「結構、早い段階で形勢を損ねた」
2022年10月08日 19:58
芸能
振り駒の結果、先手広瀬で戦型は角換わり腰掛け銀。封じ手前、広瀬が藤井陣へ金獲りに銀を打ち込んだ。1時間1分の長考に沈む1日目の局面で早くも「苦しいかなと。その前にやっていくしかなかった」と非勢を自覚したという。
デビュー以来の29連勝や19歳7カ月での最年少5冠。積み重ねた最多や最速記録の数々にあって、珍しい負け越し記録。計6局とサンプルは少ないが、挑戦権獲得の勢いを駆るチャレンジャーを藤井でも受け止めきれないことが考えられる。
今年度は全8冠中、過半数のタイトルを手中にしたため挑戦権を争うのは3タイトルのみ。昨年度の上半期40局から今年度は20局と対局数が半減した。また、広瀬とは、19年の王将戦挑戦者決定リーグで敗れて以降4連勝したが、対戦は昨年10月の同リーグ以来1年ぶり。所属も東西で違うため、戦前の情報不足は否めなかった。
「幸先いいスタートが切れた。気持ちを切らさず頑張りたい」。自虐キャラもあろうが、その充実ぶりからストレート敗退すら考えたという広瀬は笑顔を見せ、藤井は「際どい勝負に持ち込めず申し訳ない。第2局は熱戦に持ち込みたい」と神妙だった。7番勝負は面白くなったというのが、両雄に止まらない実感だろう。(筒崎 嘉一)