藤井竜王 2段ロケットを封じ手前に発射 広瀬は低態勢から桂を打ち込む
2022年11月08日 19:00
芸能
連盟常務理事の井上慶太九段(58)は初手に立ち会い、攻め合いを指向する両者の姿勢を感じ取った。藤井が指した昼食休憩前の55手目。歩を5段目へ突き上げ、広瀬陣の急所を突いた一手から前例を離れた。広瀬は36手目。最近の角換わりでは珍しく右金を2段目ではなく3段目へ上がった。
以降、19手踏襲された前例から離れた55手目について、「(棋士らが集う)控え室での評価も高かった。藤井さんが指された手は全棋士の共有情報になります」。その影響力を物語り、藤井とのタイトル戦で再び光を当てた広瀬の金上がりも「この戦型が復活するきっかけになるかもしれない」とした。
広瀬に関しては2手目の手つきに決意を感じ取った。勝率的に若干不利な後手番ながら、負ければ後がなくなる第4局。手が震えているように映り、「気合いが入っている。少し高ぶったものがあるのでは?」と見立てた。その表れとして挙げたのが36手目の金上がり。「攻撃重視ですね。最近の流行はバランス型ですが、“攻めますよ”と宣言している。分かりやすいきっぱりした手」と評した。
封じ手時点の消費時間は藤井が3時間47分、広瀬が3時間33分。2日目は9日午前9時に再開される。