見上愛 緊張の初舞台も「競馬場で5万人の観衆を経験しているので大丈夫かも」

2022年11月17日 08:27

芸能

見上愛 緊張の初舞台も「競馬場で5万人の観衆を経験しているので大丈夫かも」
舞台「ツダマンの世界」の役柄のイメージでポーズをとる見上愛 Photo By スポニチ
 【牧 元一の孤人焦点】俳優の見上愛(22)が23日から東京・渋谷のBunkamuraシアターコクーンで上演される舞台「ツダマンの世界」(松尾スズキ作・演出)に出演する。
 2019年に俳優デビューして以来、初めての舞台。見上は「ずっと舞台をやりたい気持ちがありました。学業との両立の問題があって、舞台は長い時間が必要になるので、大学4年になるまでは難しいと思っていたんですけど、ちょうど大学4年の年に、しかも松尾スズキさんの作品のオーディションのお話をいただいたので、受けてみようと思いました」と話す。

 高校時代、演出などへの興味から演劇部に所属。1年の時、歌人で劇作家の寺山修司さんの作品で初舞台を経験したものの、以降は主に裏方に回り、のちに芸能界入りすることになった。

 「ツダマンの世界」は昭和の時代を舞台に小説家・津田万治(阿部サダヲ)を取り巻く人々の濃密な愛憎劇。見上は、津田の弟子・長谷川葉蔵(間宮祥太朗)と関係を持とうとする謎の文学少女・兼持栄恵を演じる。

 見上は「栄恵は葉蔵の物語がどんどん進んで行くきっかけの一つになる役で、インパクトが必要です。松尾さんが印象的に書いてくださっているので、それを台無しにしないようにやらなくちゃいけないと思っています。若く、生き生きしているというところがポイントになると思うので、あまり縮こまらずにやりたいです」と意気込む。

 プロとして初めての舞台の稽古場。周囲には阿部や間宮、江口のりこ、吉田羊らそうそうたる顔ぶれが並ぶ。

 「稽古初日は『私を土に埋めてくれないかな…』と思うくらい緊張しました。映像のお仕事はカメラだけを意識する感じですけど、舞台はいろいろなところから視線を受ける感じなので、より緊張するのかもしれません。どう動いたらいいのか?どのくらい声を出したらいいのか?最初の頃は、いろんなことでパニックになりました。稽古場でみなさんのお芝居を見ていると、ひとつひとつにセンスを感じます。もちろん、これまでの積み重ねがあったからこそ、そのセンスを得られたのだと思いますし、私が今、上積みだけをまねしようとしても無理なので、私が今できることをやろうと思います。今すぐは100点は出せないですけど、なるべく100点に近づけるように、稽古期間中は1点ずつでも積み重ねて行く辛抱の時だと思っています」

 今年は連続ドラマ「liar」主演など役者としての活躍のほか、JRAの年間プロモーションキャラクターとして活動し、TBSの競馬バラエティー番組「澤部&見上の赤坂ケイバ探偵」では当意即妙で愉快な一面も見せている。

 「JRAさんのCMの私は結構クールな感じですけど、『赤坂ケイバ探偵』では、バラエティーに挑戦しているので、ギャップを楽しんでもらえているのかなと思います。JRAさんのお仕事をするようになって、私のことを知っていただく年齢層が変わったかもしれません。これまでは若い女の子が多かったんですけど、最近は日曜日にJRAさんの施設の近くを通ると、年配の男性の方が気づいてくださることもあります」

 順調に行けば来春、大学を卒業する予定。学業との両立を終え、仕事に専念することになる。

 「幅広くやっていきたいです。私は表現することで生じたストレスを他の表現でなくすタイプなので、趣味も含めて、いくつかの表現をすることでバランスを取っています。今までは大学で補っている部分があったんですけど、来年以降はそれがなくなるので、意識的にいろんなことをやっていかないといけないと思っています。趣味としては陶芸もやっています」

 舞台出演も幅広い活動のうちの一つだが、開幕が迫り、緊張感が高まっている様子だ。

 「初日はあがっちゃいそうで怖いんですけど、もしかしたら、競馬場のイベントで5万人の観衆を経験しているので大丈夫かもしれません。舞台では自分が目立つのではなく、何かしらの形で作品に貢献できている姿をお見せできたらいいなと思っています」

 見上愛の新たな魅力に触れられる場になりそうだ。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局総合コンテンツ部専門委員。テレビやラジオ、映画、音楽などを担当。
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