【芸人イチオシ】やす子「コンプライアンスもお手上げくらいな」“体張る”素質十分…最終目標は女版・出川

2022年11月19日 09:00

芸能

【芸人イチオシ】やす子「コンプライアンスもお手上げくらいな」“体張る”素質十分…最終目標は女版・出川
持ちネタ「はい~」を披露するやす子 Photo By スポニチ
 元自衛隊芸人のやす子(24)は、明るく純粋な性格と語尾に「はい~」と付ける独特な語り口調を武器に、バラエティーやロケ番組のお笑い最前線を賑わせている。高校卒業と同時に自衛隊に入隊した彼女の強みは“思い切りの良さ”にある。
 今の芸人生活は「人生設計になかったことなんですよ~、はい~」と豪快に笑う。2017年に「衣食住が整っているから」との理由で入隊した自衛隊も任期満了となる2年後の19年で除隊。それも天からの啓示があったようで、いきなり「とくに不満もなく、直感で辞めようと思った」という。

 その後は官公庁での清掃業に勤しんでいたが、高校時代からのSNS友だちから「一緒に漫才をやらないか?」と誘いを受けた。自衛官だった2年間の芸能情報にも疎く、お笑いも詳しくはなかったが「知らない世界に飛び込みたい」と、またまた後先考えずに決断したという。

 さまざまな事務所に履歴書を送る中、最初に返信が来たのが現在所属するSMAだった。面接の日取りまで決まった矢先、次はそのSNS友だちと音信不通になった。

 「友だちはベテラン芸人ばかりのソニーに苦手意識があったみたい…でも、一度した約束を反故にはできない。“やってやる!”という気持ちでした」。

 決めたことは不退転。それが、やす子である。しかも面接と聞いていた当日にいきなり実戦が決定。急きょ舞台に立つことになり、漫才用のネタをピンネタに変え、思いもよらぬ形で「芸人やす子」が誕生した。

 活動当初は、コント職人のバカリズム(46)や吉住(32)のようなポジションを目指していたが、芸人仲間のアドバイスで作戦を変更。“元自衛隊”の肩書きを前面に押し出し、迷彩服を着てキャラクター作り。あるあるネタ、フリップ芸などに磨きをかけ、前職の経験を生かした芸風がぴったりとハマった。

 「そのあたりから、テレビのオーディションなどに受かるようになりました!」。デビューからわずか2年で、ブレーク芸人の登竜門と呼ばれる日本テレビ「ぐるナイ おもしろ荘」で3位に入るなど破竹の勢いを見せている。やる気と思い切りの良さがあれば、何が起こるか分からない。

 最終目標は“女版・出川哲朗”になることだ。自衛官時代は訓練の休み時間に、仲間とハイレベルなかくれんぼを実施。5メートルの木に上ったり、水の中に潜って隠れたりと体を張った撮影に耐えうる素質はすでに持っている。もはや忍者か、レンジャー部隊である。

 「一番リアクションもとれて、体も張れる出川さんみたいな人が目標。コンプライアンスもお手上げくらいな、そんな芸人さんになりたい」。

 数々のバラエティー番組でも披露しているが、ほふく前進もお手の物。かわいらしく見えて、どんな困難にも屈せず、前へ前へ。思い切りよく、突き進む姿はたくましい。

 ○…芸人を続けながら、やす子は今も有事や災害時に出頭する即応予備自衛官でもある。取材当日、記者が乗っていた地下鉄が地震のため緊急停車。事情を説明すると「地下は地震に強いですけど、津波で冠水の恐れが怖いですよね。地上は火事や脱線の可能性もあります。まずは進路の確保や、倒れた人の救助など、次の余震に備えることが大事です」と力強く語っていた。

 ◇やす子(やすこ)1998年(平10)9月2日生まれ、山口県出身の24歳。高校時代は柔道部で、63キロ級に在籍。自衛官時代は施設科に配属され、ブルドーザーを運転して道を作るなどの任務をこなした。そのため、大型特殊免許を持っている。趣味はギター。身長1メートル54。血液型A。
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