【前回の鎌倉殿の13人】第43話“大河絵”(鎌倉絵・殿絵)「トキューサ神の手?上皇様に会心ゴール」
2022年11月20日 08:00
芸能
稀代の喜劇作家にして群像劇の名手・三谷幸喜氏が脚本を手掛ける大河ドラマ61作目。タイトルの「鎌倉殿」とは、鎌倉幕府将軍のこと。主人公は鎌倉幕府2代執権・北条義時。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男。野心とは無縁だった若者は、いかにして武士の頂点に上り詰めたのか。物語は、江戸幕府まで続く強固な武家政権樹立を決定づけた義時と朝廷の決戦「承久の乱」へと向かう。三谷氏は2004年「新選組!」、16年「真田丸」に続く6年ぶり3作目の大河脚本。小栗は大河出演8作目にして初主演に挑んだ。
第43話は「資格と死角」。3代鎌倉殿・源実朝(柿澤勇人)の後継者問題。評議は紛糾しかけたものの、後鳥羽上皇(尾上松也)に相談していた実朝は「上皇様は親王様の中から誰かを遣わしてもよいと仰せだ」。阻止したかった北条義時(小栗)たちは黙るしかなかった。
建保6年(1218年)2月、政子(小池栄子)は北条時房(瀬戸康史)を従え、上洛。時房が“鎌倉一の蹴鞠の名手”と知った後鳥羽上皇は、身分を明かさず時房の元へ。時房は転がってきた蹴鞠を拾う。
リフティング合戦が始まると、お互い蹴鞠を落とさず、華麗な足さばきを披露。
後鳥羽上皇「見事じゃ」
時房「形ばかり気にする都の方にしては、大した技だ」
後鳥羽上皇「おぬしも、東夷(あずまえびす)にしては筋がよい」
時房「何だと(笑いながら後鳥羽上皇の左肩を小突く)」
警護の武士たちに取り押さえられたものの、、後鳥羽上皇は時房を気に入った様子。「トキューサ、と申したな」「いずれまた、勝負しようぞ。トキューサ」。慈円(山寺宏一)に「慈円僧正、我が最愛の子たる親王を鎌倉に与える話、早く決めてやれ」と指示した。
時房の天然さが奏功。りく(宮沢りえ)の聞き間違いから生まれた「トキューサ呼び」も後鳥羽上皇“公認”となった。
今回の“大河絵”は20日開幕のサッカーW杯カタール大会になぞらえ、時房と後鳥羽上皇の“名勝負”を1枚にまとめた。
◇石井 道子(いしい・みちこ)絵描き。千葉県生まれ。清野菜名と松下奈緒がダブル主演を務めたテレビ朝日の昼帯ドラマ「トットちゃん!」(2017年10月期)劇中画、ウェブマガジン表紙などを手掛ける。「ALL OF SHOHEI 2021 大谷翔平写真集」「スポニチ URAWA REDS 2021 浦和レッズ特集号」(スポーツニッポン新聞社)などにイラストを掲載。ライブペインティングや即興似顔絵も各地で行う。