戸田恵梨香 「SPEC」大ヒット後は「迷走」も…人生の転機となった作品とは?「究極を味わっちゃった」
2022年11月24日 12:55
芸能
「22歳の時に、『SPEC(~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿)』っていう作品をやらせてもらって。キャラクターの濃い役だったんですよ」と回顧。「そうすると、頂くお話が結構キャラものが多くなって。なので、自分のお芝居で肉付けしていく方法っていうのを見つけられたんだけど、逆にフラットでいる自分のお芝居ってまだできない、って思って。そこを伸ばしたいと思い、どういう作品をやるか、どういうふうに自分の長所と短所を伸ばしていくかっていうのをずっと試行錯誤してました」と続けた。
「TOKIO」城島茂が「その答えが出るのって何年後ぐらいなんですか。自分の中で」と尋ねると、戸田は「(TOKIO)松岡(昌宏)さんと一緒にお芝居した、『大恋愛(~僕を忘れる君と)』という作品が私の終着点でした」と言い切った。
松岡は「あれはちょっとね、なんて言えばいいんだろう。ちょっとね、声掛けなかった」と表現。「最初は明るいデートのシーンとかあるの。そういう時は普通なの。で別れて。で彼女がどんどんどんどん病気になっていくのを見守る、医者として。そっちの感情じゃないですか。不安の感情とかあるんだけど、ちょっと声掛けらんなかった。もう殺気めいたものとはちょっと違う、はかないものでもないし、本当に倒れんじゃねえかっていう。役作りとはちょっと違うのかなあ」と振り返った。
戸田は「別次元にいっちゃったんですよ」と語ると、松岡は「あれはちょっとね、心配だったのは、この人打ち上げ終わってから戻ってこれるのかなって心配だった」とも話した。戸田は「本当にそんな感じで。よく役者さんが“役を生きました”とか言うじゃないですか。生きるってどういう意味だろうって。全然理解できなくって。で初めてその感覚を味わった作品なんです」と説明した。
「大体作品にプライベートが引っ張られることってなくって、やっぱり“用意、スタート”がかかった瞬間でしかないんだけど、その作品に関しては、“用意、スタート”がかかったら、もうその中に入っちゃって。涙の準備しなくても勝手に涙が出てきたりとか」との変化を明かした。
松岡が「あれはもうお芝居ではないです」と感心すると、戸田も「その領域にいっちゃって。なんかお芝居でずっとリアリティーみたいなものを求めてたんです。でも本当のリアルってドキュメンタリーだからドキュメンタリーにかなうものないって分かってるし、結局ドキュメンタリーをやっちゃうと面白くない。ドラマだからっていうのを分かってるんだけど、ある程度心のウソはお芝居をするにあたってしたくなくって、正直に生きてきたんですけど、なんかそこの境目が『大恋愛』はなくなってしまって、終わった時の虚無感が本当にえげつなくて」と告白した。
その後は「しばらくその虚無感にさいなまれて、涙は出るし寂しくて。ムロ(ツヨシ)さんに連絡して。“ムロさん、寂しいですね。あたしこんなに抜けれないの初めてです”って。作品が終わった後に連絡したの初めてでした」との出来事もあったとし、「なんか、究極を味わっちゃったんですよね」と話した。
「マネジャーさんとかに“考え過ぎだ”とか、“手を抜くことを覚えろ”とか言われてたんですけど、それが理解できなくって、でも手を抜くとかそんな領域じゃなくなるんだなっていうのを初めてその時に知りましたね」としみじみ。「最初で最後です」と話した。