羽生九段 △3五銀の飛車取り 最先端の将棋から経験値の高い将棋へ誘導
2023年01月09日 05:26
芸能
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ここで自然な△7六歩は以下▲同銀△8六歩▲同歩△同飛▲8七金△8二飛▲8三歩△同飛▲4三銀の強襲がある。一触即発の変化が潜んでいる中、昼食休憩明け、羽生が選んだ手は△3五銀(A図)の飛車取り。△7六歩を見せ球にしながら局面を複雑化し、戦いの流れを鈍化した一手である。最先端の将棋から離れ、羽生にとって経験値の高い将棋に誘導したのが印象深い。
この手を境に午後は一転、長考合戦となった。進んだ手数はわずか6手、藤井王将は76分、70分と連続長考、羽生の封じ手の消費時間は101分。近年は、終盤に時間を残す戦略のため1日目から進行が早い展開が多いが、本局、両者考慮を重ね封じ手を迎えたことに懐かしさを感じた将棋ファンも多いだろう。 (スポニチ本紙観戦記者)