羽生九段“先手必勝”「先手番の方が作戦的に選べる」 泰然自若のオーラ…LED光量気にしない
2023年01月21日 05:25
芸能
「高槻市にこのような風光明媚(めいび)な場所があるとは全然知りませんでした。非常に落ち着いて対局できる場所ですね」
8、9日に静岡県掛川市で指された第1局で敗れてから11日が経過した。この間、12日の順位戦は敗れたが、16日の竜王戦ではA級棋士の佐藤天彦九段(35)を下し23年初勝利。「新しい年になって1勝できた。気持ち的にはホッとしています」と安堵(あんど)の心境も吐露した。
迎える第2局は先手番。「開幕局は(振り駒で)先後両方のケースを考えるんですが、今回は決まっている。そこに重きを置いて、いろいろ考えてきたというところです。先手番の方が作戦的に選べる立場なので」と含みを持たせる一方、「とはいっても、将棋として先手がはっきり有利ではない。その中で自分の持っているものをやりきるということでしょうか」とも続けた。
過去2186局を指してきた羽生は、1518勝668敗で勝率.694。これが先手では809勝297敗で.731と上昇する。確かに「はっきり有利」ではないが、主導権を握る立場にいることだけは間違いない。
生涯勝率はもちろん、強敵相手のタイトル戦でも8割を超える規格外の藤井にくさびを打ち込むには、やはり先手番が大きな意味を持つ。掛川では一手損角換わりを採用して周囲を驚かせた。「タイトル戦の進行に慣れてきました」という今局は、どんな秘策を用意しているのだろう。 (我満 晴朗)