藤井王将 1時間22分の長考…持ち時間1時間28分差も「凄く意識することではない」守勢打開し連勝必ず

2023年01月22日 05:00

芸能

藤井王将 1時間22分の長考…持ち時間1時間28分差も「凄く意識することではない」守勢打開し連勝必ず
対局室へと向かう藤井王将(撮影・河野 光希) Photo By スポニチ
 【第72期ALSOK杯王将戦7番勝負第2局第1日 ( 2023年1月21日    大阪府高槻市 摂津峡花の里温泉・山水館 )】 第72期ALSOK杯王将戦7番勝負は相掛かりへ進んだ昼食休憩明け、大駒交換が相次ぐ激戦に入った。藤井聡太王将は羽生善治九段が仕掛けた攻勢に、1日目最長1時間22分の長考などで自陣の安定を図った。
 昼食休憩明けの午後1時半、羽生が43手目を指して長考は始まった。将棋盤と向き合い、読みを進めて続く△3三角(第2図)を指したのは、藤井にモンブランショコラ、羽生に高槻市のゆるキャラが焼き印に入った「はにたんどらやき」が午後のおやつに提供される直前。

 前期の同じ高槻対局。その第2局1日目に飛び出した、通算365局目を迎えた藤井にとっての自己最長考2時間28分には及ばないが、この日最長1時間22分考えた。結論が、自身の1五歩と2二歩を支える「一手両得」の角打ちだった。

 昼食休憩時、「難しい展開かと思う。午後は激しくなるか穏やかになるか、いろいろ考えられる」と午後の戦いを見据えた。

 4時間半後、封じ手を終えての感想は「激しかった」。飛車交換に角金交換、さらに2度目の飛車交換。華々しく大駒が盤上とお互いの駒台を行き来しあった。「こちらの王が薄い。寄せられてしまわないよう気をつけたい」と危機感を語った。

 羽生とは自身12度目のタイトル戦で初対決。「長い持ち時間で将棋盤を挟めて、今まで以上に羽生九段の力を感じた」。先勝した第1局を終え、そう回想した藤井は、羽生や永世名人資格保持者の森内俊之九段(52)ら羽生世代への敬意を語ってきた。

 「さまざまな戦型を指されることで将棋そのものを突き詰めたい姿勢の表れと感じるし、その姿勢は見習いたい」。第1局、後手番の羽生が繰り出した一手損角換わりに、今回の相掛かり。黄金対決には、将棋の真理を突き詰めようと手段を尽くす羽生の姿から、新たな学びを得ようとの狙いもあった。

 1日目を終え、両者に横たわった1時間28分の持ち時間差。「元が持ち時間8時間。凄く意識することではないと思います」。守勢をどう打開するか。藤井将棋の真骨頂が、2日目に見られそうだ。(筒崎 嘉一)

 ≪封じ手は?≫
 ▼立会人谷川浩司17世名人 ▲2一飛。先に急所に打ち込み、攻めの継続を狙う。
 ▼副立会人稲葉陽八段 ▲2一飛。大本命。その後△9九角成▲1一飛成で激しい展開を予想。
 ▼記録係折田翔吾五段 ▲7九金。▲2一飛はいつでも打てるので、先に相手の攻め筋を消す大人な一手。 

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