「今、最もチケットが取れない落語家」春風亭一之輔が笑点新メンバーに選ばれた3つの理由
2023年02月05日 17:37
芸能
現在、若い世代に落語ブームが起きる中で勢いある若手の名前が並んだが、この中で一之輔が選ばれた背景には3つの理由があった。
スポニチアネックスの取材にテレビ関係者は「まず第1にその実力。“今、最もチケットが取れない落語家”と呼ばれるだけあって、腕のあった円楽さん亡き後、視聴者が求めていたうまさを見せてくれるとの期待がある。その上で、近年テレビ局が重視しているのは世帯視聴率ではなく、コア視聴率。スポンサーが狙う購買層の13歳から49歳のコア層に人気の一之輔は響く人材。その思いが作り手にある」と語る。
2つ目の理由として、落語関係者は「一之輔を将来的な司会者候補に考えている」と明かす。現在の笑点メンバーは司会の春風亭昇太(63)をはじめ、林家木久扇(85)、三遊亭好楽(76)、三遊亭小遊三(75)、林家たい平(58)、桂宮治(46)。「司会の昇太で60歳を超えている。若い世代の実力者・一之輔を司会候補として育てたいという思いがあるようだ」と話す。
3つ目の理由として、多くの関係者が指摘するのは「バランス」。現在の笑点メンバーの所属をみると、落語協会=林家木久扇、林家たい平、落語芸術協会=春風亭昇太、三遊亭小遊三、桂宮治、円楽一門=三遊亭好楽。「新たに芸術協会が加わるとバランスが崩れるので、それはないのでは」とみていた関係者は多く、「円楽さんがいなくなって1人減った円楽一門か、昨年加入した宮治が芸術協会でもあり、今回は落語協会からではないか」とされていた。候補に挙がっていた落語家では、落語協会=蝶花楼桃花、春風亭一之輔、落語芸術協会=柳亭小痴楽、春風亭昇也、円楽一門=三遊亭王楽だった。落語協会所属の一之輔の起用に「順当だったのでは」と語る落語家もいる。
◆春風亭一之輔 01年に春風亭一朝に入門。年間に高座約900席をこなす超売れっ子で、ラジオのパーソナリティとしても人気を博している。「NHK新人演芸大賞」落語部門大賞を受賞。