羽生九段 ウサギのネクタイで気合 先手番生かす 「よく知ってる」“ホーム”立川対局でタイに戻すか
2023年02月09日 05:00
芸能
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羽生にとって初の立川対局になるが「4歳から(隣接する)八王子に住んでいたので地理的によく知っています」と違和感はないという。対局室から望める昭和記念公園は「日帰りの行楽というか、よく遊びに行く場所でした」と懐かしそうだ。検分ではカーテンが自動昇降する仕組みを見ると「おおお」と実直なリアクション。対局前日の堅苦しさは例によってほとんどない。
シリーズ成績は1勝2敗。勝てばタイになる一方、敗れると「カド番」に追い込まれる。タイトル獲得100期に向けて分岐点となる大一番を前に、参考となるのが1日に行われた順位戦A級の藤井―永瀬拓矢王座(30)戦。後手の藤井が敗れた一局を、もちろん羽生もチェックしていた。
「永瀬さんの研究の深さ、作戦の周到さを感じた。藤井さんの出来が悪かったわけでは決してないのですが、終始永瀬さんペースで指し切りましたね」と話す根底には今局に臨む自らの立場を重ねていたに違いない。
自宅で飼育中とあり、ウサギ柄のネクタイを締めていた羽生は、和装となる対局時のいでたちもウサギ関連かと尋ねられ「楽しみにしていてください」と含み笑い。若き王者との死闘を、どこかで楽しんでいるふうでもあった。 (我満 晴朗)