立会人・森内九段「見事な快勝譜」 40年来のライバル・羽生九段を激励「藤井さんに勝負の厳しさ教えた」

2023年02月11日 05:18

芸能

立会人・森内九段「見事な快勝譜」 40年来のライバル・羽生九段を激励「藤井さんに勝負の厳しさ教えた」
森内正立会人(左)が封じ手を開封し、藤井王将(中央)が指す。右は羽生九段(撮影・河野 光希) Photo By スポニチ
 【第72期ALSOK杯王将戦7番勝負第4局第2日 ( 2023年2月10日    東京都立川市「SORANO HOTEL」 )】 第4局立会人の森内俊之九段(52)は、羽生善治九段と40年以上にわたる好敵手。藤井聡太王将相手に鋭い指し回しが光った羽生に向け「若いチャンピオンの藤井さんに対し、見事な快勝譜でした」と激励した。 【王将戦第4局指し手
 8日開催の前夜祭では、羽生の戦型について「角換わり腰掛け銀」と推測。藤井のエース戦法にどこかで飛び込まなければ、「4勝するのは厳しいと思う」と解説していた。いざ始まると、予想はピタリ。さらに序盤の趣向を凝らした展開から徐々にリードを広げ、差をつけての勝利となった。「藤井さんに勝負の厳しさを教えつつ、羽生さんにとっては次局以降の自信につながる一局でしょう」と振り返った。

 羽生との物語は、10歳の時に交えた初対局から始まった。プロ養成機関「奨励会」も同期で、棋士になってからも数々のタイトル戦で対決。名人戦7番勝負では9度も戦いを繰り広げてきた宿命のライバルだ。

 そんな森内は2017年に順位戦A級陥落を受け、フリークラスに転出。プレーヤーとして第一線を退き、広い視点で将棋界を見つめてきた。「羽生さんは一時成績が伸び悩み、苦戦した時期もあった。それでも最先端の研究と長年の研究がミックスされた今、より一層厚みが増した将棋になっています」。それでも、藤井が強敵であることに変わりはない。「仕切り直しとなる第5局。どちらが勝っても王手なので、お二人とも戦い抜いてほしい」と熱く語った。(小田切 葉月)
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