「舞いあがれ!」新婚早々に問題 物語終盤への重要ポイント
2023年02月21日 08:30
芸能
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制作統括の熊野律時チーフプロデューサーは「舞と貴司のことは結婚披露宴でみんながお祝いする第97回に集約した。2人は結婚しても生活のサイクルが劇的に変化するわけではなく、それぞれに日々の仕事を続けていく。舞はここから先、何をしていくのか…。舞が目指すものの話に速やかに移りたいと考えた」と説明する。
そのエピソードの一つが、工場のベテラン職人・笠巻(古舘寛治)の問題。笠巻はぎっくり腰になったことを機に退職を決断するが、私生活では娘が家に寄りつかないという寂しさを抱えている。舞が新婚早々、その状況に目を向けることは、この作品の当初からの特性である「いろんな人とつながって手を携えて空高く上がっていくイメージ」「柔らかく優しい物語」に沿っている感がある。
熊野氏は「舞は、笠巻さんのことをきっかけにして、うまくいっていないこと、新しい問題に目を向ける。自分は貴司との結婚で幸せをつかんだが、周りの人たちも幸せになれるように、手探りで何かを見つけようとする舞のあり方を大事にしたい」と強調する。
地元の数々の工場は近隣住民との騒音問題を抱えていた。それぞれが厳しい経営を続ける中、さらに騒音対策を講じるのは困難だ。そんな折、舞が新聞記者・御園(山口紗弥加)から提案されたのが「オープンファクトリー(物作りの現場を公開して来場者に体験してもらう取り組み)」だった。
熊野氏は「舞はこれから、いろんな人と手を携えて困難を乗り越えていく。さまざまな技術を持っている町工場をどのように結びつけ、どのように新しい仕事を生み出して行くのか…。それが舞のモチベーションとなり、物語の大事なポイントとなる。オープンファクトリーはそのスタート台で、最終的に、舞が舞いあがっていく話に結びつく」と明かす。
NHKは長崎・五島での最終ロケで「舞がこれまで出会った人々の協力を得て電動小型飛行機の飛行に挑むシーン」を撮影したことを既に公表している。
物語は終盤に向けて動き出している。
◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局総合コンテンツ部専門委員。テレビやラジオ、映画、音楽などを担当。