相葉雅紀「ずっと応援してる」 4つの日本記録更新へ新谷仁美が挑むマラソン12秒の壁「カバーできる」
2023年02月26日 23:37
芸能
「パリは今の時点では私の気持ちの中にはありません」
帰国後の会見で、例え日本代表に内定してもパリ五輪には出場しないと明言した新谷。相葉が初めて新谷に会ったのは2年目。東京大会も現地で取材し、「気になる存在であり続けている」と語った。
「一番は自分の苦手意識があるマラソンを、自分の納得したやり方で結果を出したいな、と考えてスタートした」という新谷に相葉は「マラソン苦手ですか?日本歴代2位の記録を出しても?」と驚き。新谷は「マニュアル通りでなく、自分に合った練習を必要、不要って選ぶ力を自分自身が身につける、ということを心掛けてほしい」と自分に言い聞かせるように語った。どこかにある自分に合った生き方。それをとことん探し続けてきたのが、新谷の競技人生だ。
中でも、厳しく自問自答を強いられたのは一昨年の東京五輪だった。開催への賛否がうずまくなか、苦しい胸の内を告白していた。「コロナの状況と五輪開催についての世間の声というのが、全部が全部まんまにしか聞こえなくて…」。1万メートルに出場し21位と惨敗した新谷は「応援してくれる人も、そうじゃない人の思いも全部受け止めて走りたいという思いが凄くあったので、日本代表として走れたことをとてもうれしく思います」と号泣していた。当時を振り返り「正直、きつかった。存在自体を消したいってところまで…。走っている姿も歩いている姿も恥ずかしいと思うぐらい、落ちてしまって…」。
オリンピックだけが、アスリートの目指すべきゴールではない。横田真人コーチと新谷が替わりに掲げたのは、4つの日本記録を更新するという目標。2つは達成したが、5000メートルとマラソンは道半ば。種目ごとの専門化が進んでいる現代では前代未聞の挑戦だ。
「私にとってアスリートって、スーパーヒーローみたいなイメージ。結果を出すだけなのか、人を思いやることを目指していくのか、と考えた時に両方必要だと考えた」。
自分のペースを大切にするため、レースでは腕時計をしない新谷。先月のヒューストン・マラソンでは、新田コーチが新谷の気配や息遣いを感じながら、ペースや位置取りを調整。36キロまで日本記録を上回るペースでけん引した。一人旅となった残り5キロ。「8割ぐらいは、きつくて無の状態だったんですけど、支えてもらってたことが強く感じられてて、“私がここで諦めちゃったら、その人たちの支えも水の泡にしてしまうんだな”と思ったら“絶対ダメだ”って」。
相葉の「12秒というのは、どれぐらいの壁なんですか?」という質問に新谷は「正直、カバーできると思います」と断言。パリ五輪を目指さない決断を下した理由として「私独自の考えを貫くのは、ワガママでもあるからどうなんだろうって思ったんですけど、“私は私の思うアスリートを目指そう”と思って決めました。もう大丈夫です。前に進めてるので」との言葉に、相葉も「ほんとによかったです。ずっと応援してるんで」とエールを送っていた。